【軽さは速さだ!】ボルトの軽量化、チリも積もれば山となる

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チタンの真実・第二段: チタンは軽い、でも実は・・・アルミのほうが軽い!

こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

チタンボルトって触ったことありますか?
ボクもはじめて触ったときは「えっ、これプラスチックじゃないの?」と思うぐらいでした。

金属とは思えない軽さと質感なんです。是非一度、チタンを手にしてみてください。

チタンは軽い! でも実はアルミのほうが軽い

いきなり核心をつきますが、
チタンよりアルミのほうが軽い!

チタンは鉄の57%の重量です。
でもアルミはさらに軽いんです。

金属の比重



アルミ、チタン、鉄の比重 👇

アルミ= 2.7
チタン= 4.5
鉄 = 7.9

同じ体積で鉄が100gの場合 👇

アルミ = 34g
チタン = 57g
鉄 = 100g

アルミ、メッチャ軽いですね。

アルミとチタンの強度差

軽量化においてチタンがアルミに完全に負けたわけではありません。なぜなら強度が違います。

Ti-6Al-4Vの強度は 900MPa
高強度アルミ 2024は 425MPa

チタンの方が約2倍以上強いわけです。同じ強度のとき、チタンはアルミの半分の質量でよいわけです。

とはいえ、物作りはそんな単純ではありません。軽さ重視ではチタンの良さが損なわれてしまいます。

アルミの強度で十分な部位には、やはりアルミを使うべきです。

ボルト・ナットの適材適所

次は、ファクトリーチームがどの部位にどんなボルト・ナットを使っているかを見ていきましょう。

ロッドエンドにアルミのフランジボルト

これはサーキットで見るまで考えたことありませんでした。真似したいところです。


スクリーンの固定もアルミのボルト・ナットで十分です

個人的にはフランジナットにしたいですね。

・シンプルなシルバーや黒ならGPルック
・派手な赤や青ならSBKルック


このスプロケナット、実はアルミです

もちろんロック機構はありません。

ストリートでは危険ですね。レースならではです。


ヨシムラさんのスプロケナットはおそらくKナットです
カートに使われるロックナットです。

高強度の炭素鋼を使っており、変形させることでフリクションを発生させています。

Kナットについてはコチラで詳しく紹介しています。
是非ご覧ください👇
超マニアック】Kナットをご存知ですか?

アルミワッッシャーで当たり面積を増やし保持力を上げています。

効率だけでなく見た目GOOD!


アクスルシャフトはどのチームもクロモリ製です

スイングアームピボットを含め、レギュレーションでチタンは禁止されています。

次の項ではチタン化とライダーの減量を比較してみます。

ダイエットメゾット vs チタンボルト

コストパフォーマンスに優れるのはどっち?

・テレビでも有名なダイエットプログラム
・モトロックマンのチタンボルト

某有名ダイエットメゾットの費用対効果

ある方のシェイプアッププログラムのブログによると、2カ月コースの平均減量値は-13kg
トータル費用は、44万5,000円だったそうです。

つまり、1kgの減量に 34,230円 かかります。

チタンボルトの費用対効果

キャリパーマウントボルト M10X60 で比較した場合

純正キャリパーマウントボルト → 42g
モトロックマン製チタンボルト → 23g
よって42-23= 19g減。

チタンボルトの価格が1本 2,050円なので、1gにつき107円の減量になります。

つまり、1kgの減量に 107,894円 かかります。

費用対効果では完全にダイエットメゾットの勝ちですね。
ただ、リバウンドも考慮すると、この限りではないですが・・・。

チタンによる軽量化の話はここまでです。
ここからは軽量化の方法についてお話します。

軽量化は全てのカスタムパーツに必須条件

カスタムパーツの装着目的は性能とビジュアルの向上、そして軽量化です。

CADによる計量で軽量化

設計者は軽量化を常に意識しています。どんなパーツにしても少しでも軽くしたいところです。

では、どのように重量を計算しているかと言うと、ズバリ!CADです。

今のCADは、材料を入力すれば重量を算出してくれます。以前は、体積までしか測定できなかったので、比重をかけて重量を計算していました。

でも、軽くするだけの設計ではダメ! 必要なだけの強度を確保することも重要です。

では、どのように強度を計算しているかと言うと、これもCADです。

設計した部品に荷重と力の方向を入力すれば、強度解析で安全率を計算してくます。

安全率とは

耐荷重100kgのベンチに100kgをのせた場合、安全率は1となります。
ではこのベンチを耐荷重120kgで作った場合、安全率は1.2となります。

この1より多い数値が、安全マージン になります。

最後は経験と実績

CADによる計量は、実際の製品とほぼ同じ結果となります。
でも強度解析は違います。

解析結果はあくまで机上の理論です。
また、残留応力や応力腐食割れなど予期せぬことも起こります。

よって、最後は設計者の経験と実績が物を言います。
僕のように失敗ばかりしてきた設計者は優秀ですよ~(笑)

今回はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございます。

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