【アクスルシャフト徹底考察】 チタン VS クロモリ 勝つのはどっち?

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こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

今回は、クロモリアクスル vs チタンアクスル です。
どちらも設計したことがあり、
実走テストも経験があります。

そんな僕がお答えします、どちらが優れるのか・・・

【結論】 よくわかりません、人それぞれです(;・∀・)

ガッカリしましたよね・・・スミマセンm(._.)m
今回はこの「わからない」 理由を説明していきます。

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なぜ “わかりません” が答えなのか

【理由】 チタン化による変化・効果の受け取り方が乗り手によって異なる

大げさに聞こえますが、初めての感覚のため
良し悪しの判断がつかないのです。

純正から社外のクロモリに変えると
70点だったものが80点や85点になるって感覚です。

これが
純正から社外のチタンアクスルに変えると
70点だったものが評価Aランクになるって感覚なんです。

あれ? Aランクって何? さらにSランクもあるの?
って、こんな感じなんです。

点数ランクのように、評価基準が違うんです。
やってて意味がわかんないです(;・∀・)

2つの基礎知識

比較の話の前におさえておくことが2つあります。

1.純正アクスルシャフトもクロモリ製
2.金属は “しなる”

順に説明します。

純正アクスルシャフトもクロモリ製

タイトル通りです。
最近のバイクの純正アクスルシャフトはクロモリ製なんです。

実際に工業試験場で検査してもらいました。
以下の表はZ900RS、ZX-10Rのアクスルシャフトの成分検査の結果です。

ここに記載された “SCM400系” とはクロモリのことです。

どちらも18年モデルのアクスルシャフトを使いました。
Z900RSは発売から現在までアクスルシャフトの変更はありません。
Z900RSは全年式クロモリ製ということになります。

ZX-10Rは16年~21年までアクスルシャフトは共通品番です。
ZX-10Rは16年のモデルチェンジから21年の新型までクロモリということです。

社外メーカーがクロモリでアクスルシャフトをつくる理由

主に以下の3つの理由があります。

1.純正よりも品質に優れ・付加価値があるから (円筒切削加工が得意だから)
2.炭素鋼の車種がまだ多いから
3.ビジュアルの向上

アクスルシャフトの品質と付加価値とは?

品質は精度(円筒度や真円度など)
付加価値は、摩擦抵抗、硬度、軽さなどですね。

この品質付加価値により
社外クロモリシャフトが純正よりも優れるわけです。

金属はしなる

「えっ!マジで?」 って思いますよね。
実は金属もしなります。
単純に強度が低い金属ほど剛性も低く 「しなり」 がおきます。

ここで言う “しなり” は “曲がる” とは違います
しなる=元にもどる状態
曲がる=戻らない状態(永久変形)

※ここから話が脱線します。
アクスルの話までとばしたい方は ココ をクリック。

この 「しなり」 こそ
現代のレースマシンづくりに必要不可欠な要素なのです!!!

「しなり」 によってマシンが得られるもの

しなりがあることで、コーナリング時、常に路面をとらえることができます。
それにより以下の効果を得ることができます。

・旋回力の向上
・マシンの挙動を把握
・加速力が向上
・タイヤに優しい

どのようにマシンに「しなり」を発生させるか

ズバリ 「横剛性を落とします」
※横剛性:横方向からの力に対して耐える力

フレームやスイングアームの場合、
肉厚を薄くし、極端に剛性を落とします。
そこへカーボンを貼り付け剛性バランスをとります。

ヤマハ、DUCATIの肉抜きトップブリッジ
ホンダ、スズキのペラペラトップブリッジ
これらは横剛性を落とすためのものです。

ここで一息、1つトリビアをご紹介します。
トップブリッジはメーカーごとに呼び方が違います。

・ホンダ → トップブリッジ
・ヤマハ → ハンドルクラウン
・スズキ → ステアリングヘッド
・カワサキ → アッパーホルダー
・DUCATI → ステアリングヘッド

チタンとクロモリの剛性比較

では、話をアクスルシャフトに戻します。

クロモリとチタンの剛性は? というと、

クロモリは強度・剛性とも最高クラス。
ビクともしません、しなりません。

しかし、チタンは違います。
強度はクロモリと同等なのに 「しなる」 のです。

レースマシンの話の後では
「チタンアクスルのほうがいいじゃん」
「チタンアクスルのほうが現代的じゃん」
ってなりますよね。

僕も当初そう思ってました。
でも実際に試乗すると、「・・・??」 になります。

走行テストの結果

これは、はじめて比較テストしたときのメモです ⇩

このメモの矛盾わかりますか?
チタンとクロモリって剛性に関しては真逆の性質です。
でも同じ回答があるわけです体感も逆になるはずなんですが・・・う~ん。

計4人でテストしたのですが、
僕だけが 「しなり」 を体験することができませんでした。
他の3人から言わせると、しなるほど倒しこみが出来てないそうです(-_-;)

路面情報の伝達量

路面の凹凸の伝わり方がアクスルシャフトによって変化します。
こんな感じです⇩

純正 → コッ、コッ、コッ
クロモリ → ゴツ、ゴツ、ゴツ
チタン → コ、コ・・・

この感覚、伝わりますでしょうか?
クロモリ化は、エッジが強くなる感じでわかり易い。
チタン化は、クッションが効いたような感じで正直わかりにくい。

チタンアクスルは正直、体感度が低いです。
それに、このマイルドになる感じの良し悪しがわかりません。

和らぐ効果は体感度が低い?

チタンのテスト終了後もう1度、純正アクスルシャフトに乗りました。
ビックリ!
変化の度合いが凄いです!!!

それもなぜか気持ちが悪く感じ、
先ほどのチタンが具合良く思えてきます。

純正➡クロモリ化・・・伝達が増え、乗りやすい
チタン➡純正戻し・・・伝達が増え、乗りにくい

この矛盾、もうワケがわかりません(^_^;)

結論を出せないことが結論

はじめは誰も どっちが良いか答えられませんでした。
みんな 「よくわからない」 というのが本音でした。

回数をこなしていくうちに効果が判別できるようにはなりました。
でも、最終的には良し悪しではなく、好みで意見が半分に分かれました。

まとめ

・クロモリのほうが体感度に優れる、その分コストパフォーマンスが高い。
・チタンは体感度が低い、けど面白味がある。

こんな感じが落としどころではないでしょうか。

※これはの最近のバイク 、特に純正クロモリ車に対しての評価です。
Zやカタナのように絶対的に剛性を必要とするバイクにはクロモリ一択です。

これで終わりでも良いのですが
ここまで読んでくれたあなたにオマケ。

オマケ 【アクスルシャフトのトレビア】

シャフトの遊びは、「少ないほど良い」 わけではない!

シャフト径は、ある程度の遊びが必要

例えばハヤブサの場合、
リヤのホイールベアリングは φ28.0
純正アクスルが φ27.86
なんと、0.1mm以上の遊びがあります。

これ、精度を高めようとφ27.98で作ったところビックリ!
通りません(ノД`)・゜・。
ベアリング1つなら通るのですが、2つを通すことが出来ませんでした。

左右のベアリングが離れているので、適度な余裕が必要なんです。
純正ホイールに対しては、φ27.92の具合が良かったです。

社外チェーンアジャスタと社外アクスルシャフトは相性が悪い

純正のチェーン引きの回り止めってガタが大きすぎると思いませんか?

良かれと思ってワザと大きく作ってガタを少なくしたら、
GILLES TOOLINGのチェーンアジャスタに入りません。

GILLES社も僕と同じことを考えてアジャスタの溝を小さくしてたわけです。

僕と同様にアクスルシャフトを作ってるところはあると思います。
GILLES社と同様にチェーンアジャスタを作っているところもあると思います。
バッティングすると最悪ですね。

今回はここまで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

チタントリビア
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この記事を書いた人
モトロオーナー

10代のとき『特攻の拓』の天羽時貞のバイクがカッコいいと思いSRを購入
  ⇩
カッコいいカフェレーサーをつくりたいという気持ちから某パーツメーカーに就職
  ⇩
自分で設計から製造までしたくなり退社し、マシニングを学ぶ
  ⇩
ROCKMANを起業
  ⇩
新たな挑戦を繰り返し
結果パーツメーカー、レースチームで多数の製品開発を行う
  ⇩
心機一転、元ROCKMANとMotoをかけて ”モトロックマン" と改名し、今に至る

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