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【上級者向け】 ファクトリーチームの使うキャリパー

この記事は約4分で読めます。

こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

今回はレース用キャリパーについて。
機能的な話ではなくエンジニアの立場から
マニアックな話を2つほど。

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なぜチタン製ピストンを使う?


bremboの市販キャリパーのピストンはアルミ製です。
対してレース用キャリパーはチタン製のピストンです。

アルミの比重は 2.7
チタンの比重は 4.5

同じ体積のときチタンよりアルミのほうが軽いのに
あえて高価で重いチタンを選ぶのはなぜでしょう?

【答え】チタンの熱伝導率が低いから

「熱伝導率が低い」とは・・・ 熱の伝わり方が遅い。
つまり、温まりにくく冷めにくい➡ チタン

「熱伝導率が高い」 とは・・・ 熱の伝わり方が早い。
つまり、温まりやすく冷めやすい➡ アルミ

なぜ熱伝導率が低いとピストンに有効?


ブレーキの制動力はディスクとパッドの摩擦力によって生まれます。
従って、熱量を必要とします。

Moto GPで使われるカーボンディスクの場合、
金属ディスクよりもさらに熱がないと効きません

対して、ブレーキ操作を伝達するフルードは熱を嫌います。

つまり、ディスクとパッドで発生した熱をフルードに伝えないため
熱伝導率の低いチタンをピストンに使うわけです。

各材料の熱伝導率

チタン合金 → 7.5 W/m℃
純チタン → 17 W/m℃
ステンレス → 17 W/m℃
鉄 → 62 W/m℃
アルミ → 120 W/m℃
銅 → 381 W/m℃

チタン合金の7.5に対し、アルミは120。
実に16倍も熱伝導率が違います。

実際にピストンとして使用されている材料は
チタン合金、ステンレス、鉄、アルミがあります。

ステンレスは熱伝導率的には良い数値ですが
重い” というデメリットがあります。

また、キャリパー本体がアルミなのでステンレスのピストンを使うと
異種金属接触腐食という問題が発生します。

異種金属接触腐食については、
チタンボルトは大事なバイクを腐食から守る!!” の投稿を見てください。

オマケ:ピストンの流用

同じメーカーで同じピストンサイズなのに材質が異なる
といった場合があります。
この場合、ピストンの互換性があります。
ピストンシールの品番が同じなら交換は可能です。

※交換は自己責任でお願いします。

ただ、ハッキリ言います。
「全く違いは体感できません!」(笑)

アルミとスチールで比較テストしたことがあります。
”熱伝導率と重量の違いによる変化” をテストしましたが
全くわかりませんでした (-_-;)

レーシングキャリパーが幅広の理由


レース用キャリパーは市販のストリート用に比べ厚みがあります。
特に、Moto GPで使われているキャリパーはワイドです。

レース用なら少しでも軽くしたいところ、
なぜ「大きい (分厚い) キャリパー」なのでしょうか?
答えは2つあります。

【答え1】 ディスクが厚い


上の写真を見てわかる通り、レース用のディスクは厚みがあります。
特にMoto GPで使われるカーボンディスクは分厚い!

純正や市販のスチールディスクは厚みが 4.5~5.5mm です。
対して、SBKのレース用はなんと 6.5~7.0mm もあります。

さらにMoto GPになると・・・
スミマセン、具体的な数値忘れました (-_-;)

ちなみにF1のディスクは衝撃の 32mm!!
ディスクが厚くなる分、キャリパーも厚くなるわけです。

【答え2】 シリンダー加工の都合


レース用のキャリパーはモノブロック構造なんです。
つまり1ピースの一体物ということです。

ストリートキャリパーの場合、2ピースで分割タイプなので
ピストンのシリンダー加工は容易です。
材料に対して上から刃物で加工するだけです。

対してモノブロックの場合、
キャリパーの隙間から刃物を入れて加工します。
そのため、ある程度の隙間が必要になるわけです。


余談ですが、
モノブロックでもMOSキャリパーのような場合は簡単。
片側を貫通させてシリンダー加工をし、後からフタをします。



はい、とりあえず今回はここまで。
最後まで見ていただきありがとうございます。

マニアってます
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この記事を書いた人
モトロオーナー

10代のとき『特攻の拓』の天羽時貞のバイクがカッコいいと思いSRを購入
  ⇩
カッコいいカフェレーサーをつくりたいという気持ちから某パーツメーカーに就職
  ⇩
自分で設計から製造までしたくなり退社し、マシニングを学ぶ
  ⇩
ROCKMANを起業
  ⇩
新たな挑戦を繰り返し
結果パーツメーカー、レースチームで多数の製品開発を行う
  ⇩
心機一転、元ROCKMANとMotoをかけて ”モトロックマン" と改名し、今に至る

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