【応用編】レバーレシオをわかりやすく解説します②

この記事は約4分で読めます。

【レバーレシオの測定方法】

こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

今回はレバーレシオのお話【応用編】です。

具体的な計測と計算について解説します。

なお【入門編】が未読の方は先にコチラをどうぞ

※この投稿はPCよりもスマホのほうが見やすくなっております。

φ19×20 の表記の意味は?

レバーレシオの話に入る前に、まずマスターシリンダの表記の意味を説明します。

ブレンボマスターにはφ19X20やφ16X18といった表記があります。これを「φ19のレシオ20マスター」と呼ぶ人がいますが、正しくありません。

まず頭のφ19やφ16、これはご存知の通りマスターシリンダのピストン径になります。

問題はこの後につづく X20、X18。
これをレシオ (レバー比) と勘違いされてる方が多いです。
20は支点からマスターシリンダの中心までの水平距離です。レシオ (レバー比) ではありません。
なのでφ19X18の場合、シリンダの中心から支点までの水平距離が18mmということです。

では、レバー比はいくつなのでしょうか?

φ19×20のレバー比は?

上図からレバー比を 141:20 と思われる方が多いのではないでしょうか?

先ほども説明した通り、20はシリンダの中心から支点までの水平距離です。作用点までの距離ではありません。

また、141が指すポイントは力点なのですが、力点までの距離ではありません。

では、本当の作用点までの距離、力点までの距離はいくつになるのでしょうか?

作用点までの距離は?

作用点はピストンを押すプッシュロッドとレバーの接合点になります。
よって、アジャスターピンと呼ばれる部品の中心となります👇また、作用点までの距離は、支点からの水平距離ではありません。支点からの直線距離です。厳密には支点からの円周上の距離となります。

レバーは支点を中心に回転方向に動きます。

よって、X20の作用点までの距離は 20.6 となります。

“円周上での距離で測定” というのはブレーキレバーよりも、ステップのペダルで見るとよりわかりやすいです。上図の2つのペダルはどちらも126:30で、レバー比は4.2です。もし下側のペダルを水平で距離を測るとレバー比は4.2ではなくなるわけです。

力点までの距離は?

つづいて力点です。
ブレンボφ19×20の設計上の力点の位置は、支点から141mm水平移動したところとされています。

これが力点までの距離となると、支点からの円周上の距離となります。

従って 141ではなく、142.2 が正しい数値となります。

ちなみに多くのブレーキがレバー握り部の中間位置が力点として設計されています。

レバー比は?

142.2:20.6 → 約 6.9 となります。

水平距離の141:20で計算した場合、レバー比は7.05となります。それほど離れてないです。でも、やはり正確とは言えません。

φ19×18のレバー比は?

力点、作用点の測定ポイントがわかったところで、次はφ19×18のレバー比を計算してみましょう。
この場合、140.2:19 → 約 7.4 となります。

ところで、このφ19×18 ですが、先ほどのφ19×20とどこが違うかわかりますか?

φ19×20とφ19×18の違い

違うのは支点の位置だけなんです。シリンダーの中心から力点までの距離は同じ121mm

実はマスターシリンダーもレバーも全く同じものなんです。最後に支点の穴位置を分けているだけなんです。

横押しマスターのレバー比は?

横押しマスターでも計測ポイントは同じです。力点は握り部の中心、作用点はピストンとの接点

力点・作用点までの距離は支点からの円周上の距離となります。

レバー比の影響は?

レバー比の数値が大きいほどテコの働きも強くなります。

φ19X20とφ19X18では、テコの働きが強い19X18のほうがソフトなタッチになります。

だからと言って「ソフトのほうがイイ」「ハードのほうが優れている」というわけではありません。

この件に関して詳しいことは、また別の記事で解説いたします。



はい、今回はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました