【CNCとマシニングって何が違うの?】
こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。
ステップやステムキットの説明文で、こんなくだり読んだことありませんか?
「マシンニングセンタにより、高精度の切削を・・・」
「高強度ジュラルミンを最新のCNCを使い・・・」
ここで出てくる CNC、マシンングと言った単語。
これらが切削機を表したものだと知ってる人は多いです。
でも、これらの違いをしっかり理解している人って意外と少ない。
そりゃそうです、実際に使ってる機械屋さんでも知らない人がほとんどだから。
汎用機とは?
切削機を大きく分類すると「フライス盤」と「旋盤」2つになります。
円筒形のものを加工するのが旋盤👇
円筒以外の切削をするのがフライス盤👇
(厳密には円筒の加工も出来ます)
上の2つの写真のように手動で行う切削機を「汎用機」と言います。
「汎用フライス」と「汎用旋盤」この2つが切削機のベースとなります
NCとは?
次に、この汎用機が進化して制御装置がついたものが、「NCフライス」「NC旋盤」になります。
「NC」というのはNumerical Controlの略で数値制御の意味です。
そう、本来NCとは制御装置のことを指すんです。
とはいえ、制御装置だけでは何もできません。
なので「NC」と言えば、現実的にはNCフライス、もしくはNC旋盤のどちらかになります。
NC機はプログラミングで動作するため、複雑な形状や高精度な加工が可能になりました。
NCフライスは、通常1つの刃物しか装着できず、その交換は手動で行われます。
一方で、NC旋盤は「タレット」と呼ばれる刃物格納庫を持つタイプが出現しました。
刃物の自動交換が可能になり、より量産向きに進化したわけです。
ここから、フライス盤と旋盤の進化競争が始まります。
マシニングセンタとCNC旋盤
NCフライスも負けじと「マガジン」と言う刃物の格納庫を装備します。
「マシニングセンタ」への進化です。
ちなみにマシニングセンタは、略して「MC」とも呼ばれます。
なお、進化したのは機械本体だけではありません。
制御装置も、自動工具交換機能 (ATC:Automatic Tool Changer) への対応と更に複雑な加工への対応のため進化します。
数値制御のNCから、コンピューター数値制御の「CNC」になります。
NCの頭にComputer (コンピュータ) が追加されCNCってわけです。
NCフライスがマシニングへと進化すれば、NC旋盤だって負けてられません。
コンピュータ数値制御の「CNC旋盤」となります。
なお、NCのときと同様にCNCは制御装置なわけですから、それだけでは何も出来ません。
よって「CNC」と言ったらマシニングセンタかCNC旋盤のどちらかになります。
横型MCとCNC旋盤の判別方法
汎用フライスからマシニングセンタまで、フライス径の刃物は “垂直配置” でした。
でも、ここで “平行配置” が出現します。
「横型マシニンセンタ」です👇
横型が出たことで、従来のものは「立型マシニンセンタ」と呼ばれるようになります。
横形マシニングセンタは、見た目からCNC旋盤と勘違いする人がいますが、見分け方はとても 簡単。
「何が回転してるか?」ってことです。
旋盤系は加工物を回転させ、刃物を動かします👇
フライス系は刃物を回転させ、加工物を動かします👇
では最後にまとめに入ります。
まとめ
汎用機はチョットした加工のために、まだまだ需要があります。
量産ならマシニングかCNC旋盤、もしくはタレット付きのNC旋盤になります。
刃物が自動で変えられないNCフライスは、中途半端で使い勝手が悪いんです。
もし機械屋さんが「ウチにはNCフライスが3台あります」って言った場合、マシニングが3台あると思ったほうがイイです。
よって、まとめると・・・
「汎用機」と言えば「汎用フライス」か「汎用旋盤」のどちらか。
「NC」と言えば「マシニング」か「CNC旋盤」もしくは「NC旋盤」のいづれか。
「CNC」と言えば「マシニング」か「CNC旋盤」のどっちか。
また「マシングセンタ」は略して「MC」とも言います
なお、今回でてきた機械の全てを「工作機」と言います。
オマケ①、フライスの軸について
せっかくなので3次元加工についてもお話します。
フライスのテーブルは基本、前後・左右・上下の動きになります。
縦・横・高さってことです。
これを「直行3軸」と言い、それぞれの動きをXYZ軸で表します。
でも、3軸だから3次元というわけではありません。
動くときは、XY、XZ、YZの動きになります。
つまり3軸の場合「2次元加工」になるわけです。
これが横型マシンングセンタになると、回転軸(AもしくはB)が増え4軸になります。
これにより「3次元加工」が可能になります。
また、縦型マシングセンタでは更に5軸も登場しております。
この軸の動きは難しく、長くなるので今回は割愛ということで。
4軸、5軸では様々な方向、角度から刃物をアプローチすることができるため、より複雑な加工が可能になるわけです。
ただし、4軸や5軸の機械は時間単価が高いです。
そのため3次元加工を必要としない場合は、3軸機を使います。
ちなみにボク得意技は、2次元加工で3次元加工風に見せること。
具体的には、斜めにした治具を使うんです。
でも、斜めにした治具に乗せ換えるという時間と人件費が追加されます。
5軸機なら最後まで一気にできてしまうわけですから、結果的に5軸機使ったほうが安かった。
なんてこともあるんです。
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今回はここまでになります。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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