【良いステップの条件:フラッシュサーフェイス】
こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。
今回はボクの得意分野であるステップの話。
ボクがステップを設計する際に特に気を付けるのが、フラッシュサーフェイス。
あまり聞かない単語ですよね。では、どういったことか具体的に説明いたします。
フラッシュサーフェイスとは?
フラッシュサーフェイスとは、ボディを面一に近づけることを言います。
ボディの段差をなくすことで、空力改善や質感・安全性が向上されるわけです。
本来は車に使われる用語ですが、ボクを含め設計者の中にはステップにもこの言葉を使います。
バイクのステップにおけるフラッシュサーフェイスとは?
車のボディにおけるフラッシュサーフェイスとは違い、空気抵抗を意識したものとは違います。操作性のために段差をなくすことです。
とはいっても、全ての段差をなくすわけではありません。操作の邪魔になる部位だけで十分です。
特に邪魔になるものと言ったらボルトの突起です。
この突起にあえて段差をつけることもあります。
ファクトリーマシンのステップ
では、ファクトリーマシンのステップがどのようにしてボルトの突起対策をしてるか、見ていきましょう。
✓RC213V
ヒールガードのボルトは沈め込みが施されていません。でも、ヒールガードが手前にオフセットされているためボルトに接触することはありません。
ヒールガード後方のボルトは足の干渉がないため、沈め込みがありません。
ステップのプレートとヒールガードの高さも揃っており、キレイなフラシュサーフェイスとなっています。
✓YZR-M1
マスターシリンダーの固定ボルトが吐出してます。でも、ヒールガードがオフセットしているので干渉することはありません。
イベントでM1に跨ったことありますが、そもそもこの位置に足がこないですね。
ファクトリーチームはライダーに合わせた専用ステップを用意します。
ポジションをアジャストすることがないのでボルトを含めパーツ点数が少なくなります。
ステッププレートとヒールガードがキレイな面一状態となっております。
✓GSX-RR
上から見てもこの通り👇
でも、ステップバーの後方に取り付けているため足が接触することはありません。
✓Team HRC CBR1000RR
ホンダは他メーカーに比べ、フランジ六角ボルトの使用率が高いのが特徴です。
「はじめは表側につけていたけど、裏側にしたら具合が良かったのでそのままにしてる」のではありません。 良く見るとヒールガードの取付部に面取りが施されています。この状態で表から取り付けると当たり面積が少なすぎます。つまり、はじめから裏側に取り付ける設計なんです。でもなんでだろう?
✓Yamaha Factory YZF-R1
マスターシリンダー固定ボルトが吐出してますが、次の写真を見ると干渉しないことがわかります。
✓Kawasaki Racing ZX-10RR
このヒールガード、ボルトを沈めこますために取付部だけ厚くなっています。なので矢印の指す1本には沈め込み加工を施す厚みが残されていないのかも?
とはいえ1~2mmのザグリは出来るはず。それをしてないということは、干渉がないのか気にならないレベルなんでしょうね。
ボルトへの干渉がないのか、低頭のテーパーボルトによって気にならないのかどっちかです。
✓Yozshimura GSXR1000
ペダルの取付もステップバー後方のため接触しません。
ただ、見てわかるようにチェンジロッドがちょっと邪魔くさいですね、でも・・・
ステップ自体も前の仕様に戻ってますね。
✓Team Green ZX-10RR
ボルトの適材適所
ふだん作業性に優れるフランジ六角ボルトをオススメしてますが、手当たり次第に使えばイイってもんでもありません。
バイクにとって最も重要なのは操作性を含めた走行性です。作業性はその次です。
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はい、今回はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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