【ガムテープによる温度管理はストリートでも有効か?】
こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。
今回ご紹介するファクトリーパーツはラジエター&ラジエターガード。
もちろん、どのチームもレース専用品を使っています。
では、どのチームがどこの製品を使用してるのでしょうか?
また、レースで使われるラジエターガードはストリートとは勝手が違います。
ストリート用の市販に比べ、網目が大きいのは多くの人が知ってます。
でも、網目に法則があるのはご存じないのでは?
最後に、サーキットで見られるガムテープによる温度管理について。
これがストリートにおいても有効かどうか? という考察もあります。
では、最後まで是非ご覧ください。
PWR
まずはオーシトラリアのPWR Advanced Cooling Technology社。
ラジエター、オイルクーラーの冷却装置メーカーです。
・Repsol Honda (Moto GP)
・LCR Honda (Moto GP)
・KTM Factoty Racing (Moto GP)
四輪がメインであり、バイク用の市販はないようです。
✓Repsol Honda、RC213VPWRの文字がハッキリと記載されています。
MB
イタリアのMB MOTORSPORT社。
こちらもラジエター、オイルクーラーの冷却装置メーカー。
・Monster Energy Yamha (Moto GP)
・Pata Yamaha (SBK)
・Yamaha Factory (JSB)
ヤマハのレースパーツにもなっています。
✓Yamaha Factory、YZF-R1コアのサイドにはMBの刻印が見えます。
MBは市販されているので購入可能です。
TALEO
TALEO TECHNORACING社は、スペインの冷却装置メーカー。
・KawasakiRacing (SBK)
・BMW Motorrad (SBK)
・Yoshimura (JSB)
・Team Green (JSB)
✓Kawasaki Racing、ZX-10RR
✓Team Green、ZX-10RR
✓Yoshimura、GSXR1000
FEBUR
FEBUR(フェバー)はイタリアのレース部品メーカーです。
ラジエターの他にもスイングアームやシートレールなどもあります。
BMWのチームやDUCATIのBARNI Spark Racing が使用しています。
その他
イタリアのH2O Performance、名古屋のKOYORADなどがあります。
H2Oは、エスパルス、ミクニテリカリ、モトバム、ファクトリーヒロなど、JSBの多くのチームが使用しています。
KOYORADは、RS-ITOHの車両で見ることができます。
レース用ラジエターはレース専用
レース用ラジエターにはファン(扇風機)はありません。
よって、ストリートでの使用はできません。
また、取付も困難。車種専用を購入しても加工が前提と思ったほうがいいです。
ラジエターガードの必要性
なぜ、ゴミが落ちてないサーキットでラジエターガードが必要なのでしょうか?
そもそもレースでは余分なものは付けたくありません。
そのためラジエターも必要最低限の大きさにしてます。(ラジエターが大きくなれば、ラジエター自体の重量アップだけでなく、クーラントも増えることになります)
そういったなかで、冷却効果を妨げるコアガードなぜ取り付けるのでしょうか?
実はサーキットでも小石があるからです。
ランオフエリア(トラックの外のエリア)のグラベル(小石)です。コースアウトした際に、グラベルからラジエター、オイルクーラーを守るためにコアガードをつけます。
ただし、ストリート用のコアガードとは守るものが違います。
ラジエターガードの網目の法則
ストリート用の市販ラジエターガードはラジエター全体を守ります。
対してレース用は水の経路であるウォーターチューブだけを守ってます。
オイルクーラーならオイルチューブだけを守る形状なんです。
チューブが破損すると水が噴きだし、再スタートできないからです。
よって、レース用のコアガードはチューブの部分に合わせ網目が細かくなっています。
どのチームも形状は異なりますが、チューブを守る形状は共通なんです。
各チームのコアガード画像を用意しました。
拡大してよく見て下さい。
細かな網目とチューブが重なってるのがわかります。
✓Repsol Honda、RC213V
✓Monster Energy Yamaha、YZR-M1
✓Suzuki ecstar、GSX-RR
✓Yamaha Factory、YZF-R1
✓Yoshimura、GSXR1000
✓Kawasaki Team Green、ZX-10RR
どれも共通して言えるのは、ハニカム構造であること。
また、ラジエターとガードの間に隙間を設けていること。
これらは冷却効果を妨げないようにするためです。
ガムテープによる温度管理
サーキットでは気温が低いときや雨のとき、ラジエターやオイルクーラーにテープを貼ります。
走行風のあたる面積を減らし、冷えすぎを防ぐわけです。
サーキットでは有効なテープによる温度管理は、冬場のストリート(市販車)でも効果はあるのでしょうか?
ラジエターへのテープ貼り
まずラジエターへのテープ貼り、これは無意味。市販車にはサーモスタットが装着されているから。
冷却水がラジエターを通過しないのでテープを貼っても意味がないということです。
ちなみに、レーサーはサーモスタットをつけていません。なのでテープを使ってオーバークールを避けます。
また、市販車のなかにもRZ250のようにサーモスタットが装備されていないものがあります。
こういった車輛にはテープが有効です。
オイルクーラーへのテープ貼り
次にオイルクーラーですが、これはメカニックによって”貼る派”と”貼らない派”に分かれます。
でも、意見が分かれるのは意外な理由。「街乗り」のとらえ方がそれぞれ違うからなんです。
「街乗り」と聞いてイメージするのが、以下の2通りに分かれているのです。
B ツーリング目的の趣味的な使用
この前提条件がいっしょであれば多くのメカニックの答えも共通になります。
■Aのように毎日乗る、しかも走行距離が短いといった場合
暖機が横着になることが多いです。なかには、暖機をしないで低回転で走りはじめる人もいます。
こういった「早く油温を上げたい」といった人にはテープ貼りは有効と言えるでしょう。
ただし、短距離が前提となります。
■Bのようにバイクに乗るのは月2~3回、しかも走行距離が長い場合
こういった人は、しっかり暖機をします。油温がある程度上昇してから走りだすわけです。
この状況下ではテープは不要です。
テープによって冷却効果が下がることにもなるので、むしろ、貼らないほうがイイとも言えます。
また、水冷のオイルクーラーと油冷のオイルクーラーでは考え方が異なります。
✓水冷のオイルクーラーの場合
↓
② エンジン温度が上昇
↓
③ 水温・油温も上昇
↓
④ ラジエターに水が流れ、電動ファンが回る
↓
⑤ 水温が適温に保たれる
水温が上がることで、油温も上がるためテープはいらないわけです。逆にテープを貼っているとオイルクーラーの機能が低下するため油温が上がりすぎたときに困るわけです。
✓油冷のオイルクーラーの場合
電動ファンのない油冷エンジンは基本的に油温が上がる一方です。冷却はオイルクーラーに依存してるわけですから、それに蓋をするのは良くないということです。
まとめ
油温計で油温を把握し、温度に合わせてテープを脱着する。
これが理想的ですが、なかなか出来ることではないですね。
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はい、今回は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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