【レバーレシオの測定方法】
こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。
今回はレバーレシオのお話【応用編】です。
具体的な計測と計算について解説します。
なお【入門編】が未読の方は先にコチラをどうぞ
※この投稿はPCよりもスマホのほうが見やすくなっております。
φ19×20 の表記の意味は?
レバーレシオの話に入る前に、まずマスターシリンダの表記の意味を説明します。
ブレンボマスターにはφ19X20やφ16X18といった表記があります。これを「φ19のレシオ20マスター」と呼ぶ人がいますが、正しくありません。
まず頭のφ19やφ16、これはご存知の通りマスターシリンダのピストン径になります。
問題はこの後につづく X20、X18。
これをレシオ (レバー比) と勘違いされてる方が多いです。
20は支点からマスターシリンダの中心までの水平距離です。レシオ (レバー比) ではありません。
なのでφ19X18の場合、シリンダの中心から支点までの水平距離が18mmということです。
では、レバー比はいくつなのでしょうか?
φ19×20のレバー比は?
上図からレバー比を 141:20 と思われる方が多いのではないでしょうか?
先ほども説明した通り、20はシリンダの中心から支点までの水平距離です。作用点までの距離ではありません。
また、141が指すポイントは力点なのですが、力点までの距離ではありません。
では、本当の作用点までの距離、力点までの距離はいくつになるのでしょうか?
作用点までの距離は?
作用点はピストンを押すプッシュロッドとレバーの接合点になります。
よって、アジャスターピンと呼ばれる部品の中心となります👇また、作用点までの距離は、支点からの水平距離ではありません。支点からの直線距離です。厳密には支点からの円周上の距離となります。
レバーは支点を中心に回転方向に動きます。
よって、X20の作用点までの距離は 20.6 となります。
“円周上での距離で測定” というのはブレーキレバーよりも、ステップのペダルで見るとよりわかりやすいです。上図の2つのペダルはどちらも126:30で、レバー比は4.2です。もし下側のペダルを水平で距離を測るとレバー比は4.2ではなくなるわけです。
力点までの距離は?
つづいて力点です。
ブレンボφ19×20の設計上の力点の位置は、支点から141mm水平移動したところとされています。
これが力点までの距離となると、支点からの円周上の距離となります。
従って 141ではなく、142.2 が正しい数値となります。
ちなみに多くのブレーキがレバー握り部の中間位置が力点として設計されています。
レバー比は?
142.2:20.6 → 約 6.9 となります。
水平距離の141:20で計算した場合、レバー比は7.05となります。それほど離れてないです。でも、やはり正確とは言えません。
φ19×18のレバー比は?
力点、作用点の測定ポイントがわかったところで、次はφ19×18のレバー比を計算してみましょう。
この場合、140.2:19 → 約 7.4 となります。
ところで、このφ19×18 ですが、先ほどのφ19×20とどこが違うかわかりますか?
φ19×20とφ19×18の違い
違うのは支点の位置だけなんです。シリンダーの中心から力点までの距離は同じ121mm
実はマスターシリンダーもレバーも全く同じものなんです。最後に支点の穴位置を分けているだけなんです。
横押しマスターのレバー比は?
横押しマスターでも計測ポイントは同じです。力点は握り部の中心、作用点はピストンとの接点
力点・作用点までの距離は支点からの円周上の距離となります。
レバー比の影響は?
レバー比の数値が大きいほどテコの働きも強くなります。
φ19X20とφ19X18では、テコの働きが強い19X18のほうがソフトなタッチになります。
だからと言って「ソフトのほうがイイ」「ハードのほうが優れている」というわけではありません。
この件に関して詳しいことは、また別の記事で解説いたします。
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はい、今回はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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