こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。
以前は年明け必ずやる仕事がありました。
レギュレーションの確認です。
地味にちょとずつ変わるんですよ。
サポートチームに指摘される前に気づかないとカッコ悪いです。
今回はそんなレギュレーションについての記事です。
競技規則はへりくつ次第で許可される?
最終的に合否の決断するのは人間です。
ごねたり、へりくつ次第で何とかなる場合もあるようです。
Moto GPで数年前に起きたスプーンの問題もその1つです。
スプーンとは?
スプーンとは、これのことです⇩
これ、素人が見ても空力パーツですよ。
でも、
「空力目的です」 って申請するとNG
「タイヤの冷却目的です」 って言えばOK
なんだそれ!? って思いませんか?
実はこの部品で2019年に裁判まで起きたんです。その経緯をわかりやすく時系列で説明します。
スプーン問題
2018年11月
ヤマハがはじめてスプーンを使用。
雨天時の流れ込む水を左右に弾き、リヤタイヤへの水量を減らす目的で使われた。
↓
2019年2月
アプリリアがスプーンを申請したが却下された。
アプリリアはスプーンにダウンフォース効果があると判断。
空力目的として申請したところ却下。
↓
2019年同月
DUCATIが晴天時のテストでスプーンを使用。
これは、DUCATIの申請が許可されたということになる。
↓
2019年3月
スプーンに関するレギュレーションの変更
「リヤタイヤの冷却目的の使用は認める」
これによりDUCATIが冷却目的で申請していることが判明
↓
2019年同月
スプーンをつけたDUCATIが優勝
雨もなく、気温も低いのに ”タイヤの冷却” ということでDUCATIは使用
ホンダ、スズキ、KTM、アプリリアが抗議したが却下
↓
2019年同月
FIMの裁判でDUCATIが勝訴
DUCATIはあくまでも冷却部品であること主張
↓
2019年同月
ホンダがスプーンを使用
ホンダはスプーンを「空力パーツです」と申請したが却下される
同日、「冷却パーツです」 と再申請し許可を得る
↓
2020年~現在
ヤマハを除くメーカーがスプーンを使用
ヤマハは雨天時のみ使用
余談になりますが、
ホンダの開発スピード、ハンパないですね。
講義・裁判後から1週間強でスプーン作っちゃうって、どんだけ~。
スプーンの空力効果は?
実際のところスプーンの空力効果はどうなんでしょうか? ライダーや各メーカーの公表は以下のとおりです。
マルケスの感想
これがスプーンをテストした後のマルケスの感想です。
「何か興味深い物が感じられたんだ」
「少しだけどダウンフォースが出るんだ」
チームはタイヤの冷却目的で申請してるのに
最後に 「ダウンフォースを感じる」 って言っちゃってますね(笑)
メーカーの公表
あくまで冷却目的というDUCATIの発表は
「スプーンによるダウンフォースは300g」
対してホンダの公表は
「約5kgのダウンフォースが発生している」
全然違います。
どちらかがウソってことになりますね。
ちなみに空力の専門家の意見としては、
「バネ上にあたるカウルのダウンフォース装置より、バネ下であるスイングアームに装着されたスプーンのほうが効果が高い」
と言ってるそうです。
各メーカーのスプーン
2021年の各メーカーのスプーンです
aprilia RS-GP
DUCATI デスモセディチGP21
ホンダ RC213V
スズキ GSX-RR
ヤマハ雨天時のみ装着してます。
あくまで雨対策パーツとして徹底してます。
ダウンフォースを簡単に手に入れる方法
スプーン、試してみたいですね。探してみましたが、今のところ市販はないようです。
市販のダウンフォース部品と言えば、後付けのウイングレットやダクトウイングがあります。
でもカウルに十分な強度がないと後付けは危ないと聞きました。
そんな心配をしなくも大丈夫な空力パーツがあります。そうモトロックマンのダウンフォーススライダー↓
エンジンマウントに固定するので強度の心配はいりません。また、スライダーとして転倒からバイクを守ってくれます。1つで2度オイシイ製品です。
スミマセン、営業でした(-_-;)
ここがヘンだよ、レギュレーション
ここからはレギュレーションへの僕の愚痴です。
文章が長すぎる!
とにかく文章が長い。
もう少し図解を増やしてほしいです。
例えば、ブレーキホースの分岐の項 ↓
「ブレーキホースを改造または変更する場合は、二つのフロントブレーキキャリパー用ラインの分岐点は、ロワーフォークブリッジ(下部三つ又)の上に設けられなくてはならない。
車両公認時においてキャリパー用ラインの分岐点がロワーフォークブリッジより下にある場合であっても、レース出場のためにはロワーフォークブリッジより上に変更しなければならない。
公認車両の状態からブレーキホースが変更されていない状態で、二つのフロントブレーキキャリパー用ラインの分岐点が、ロワーフォークブリッジ(下部三つ又)にボルトおよびブラケット等で確実に固定されている場合、ロワーフォークブリッジ下のホース分岐を認める。」
「は?」 ってかなりませんか?(笑)
はじめて見たときは3回読みました。
テクニカルサポーターに有利な内容
2つ目の愚痴はスポンサー有利の内容ってことです。まぁ、サポートしてるわけですから当然のことなんですが。。。
bremboに合わせたレバーのルール
当初、bremboのレバーは厚みが13.6mmでした。
それがいつごろか、14mm以上にモデルチェンジしてました。ちなみに、レギュレーションでは 「最低14mm」 とあります。
bremboの変更とレギュレーションの14mmの記載、どちらが先かはわかりません。
でも、bremboが14mmになってからは、この規則の確認が厳しくなりました。
ちなみに、bremboはSBKのテクニカルサプライヤーです。
公認はGB Racingのみ
こちらに限ってはあからさまです。
レギュレーションのエンジンカバーの欄には材質やサイズなど細かく記載されています。
それが最後にこう書かれてます。
「FIM公認の2次カバーは、その材質にかかわらず使用が認められる。」
FIMの公認って、GBRaingだけじゃん! ちなみにGBRacingはテクニカルサプライヤーです。
ちなみに、この文章を勘違いしてる人が割といます。GBRacing以外はNGと思っているようです。
僕以外にもレギュレーションがわかりづらいと思う人達がいる証拠ですね。
レギュレーションのサイトを紹介
最後にレギュレーションのサイトを紹介します。このサイトで各カテゴリーの確認ができます⇩
今回はこれで以上です。
最後までありがとうございました。
コメント