【ステップの考察】 良いステップバーの条件とは?

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【ファクトリーチームが使うステップバー】

こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

今回はステップバーの考察。

具合の良いステップバーとはどういうものを言うのでしょうか?

ファクトリーチームはどんなステップバーを使っているのでしょうか?

では、さっそく参りましょう。

良いステップバー条件

十数年前のボクが思う「良いステップバーの条件」は以下の2つ。

・絶対的なホールド性
・適切な長さ

こういった考えのボクがよく作ったのが、RC213Vのレプリカステップバー。
これを真似して作ってました👇

このバーの特徴をまとめると・・・
・攻撃的にエッジの効いた滑り止め加工
・先端の段差でさらにホールド性アップ
・レースに適した長さ
こんな感じかな。

HRCの真似して作ってるから当然ですが、メチャクチャ評判が良かったです。

でも、あるライダーに言われたのが「ひっかかりが強すぎて使えん」の一言。

唖然となりましたね。
ひっかかるように作ったものを「ひっかかるからダメ!」と言われたわけです。

また、別のライダーからは「長すぎて使えん」と言われました。

「これ以上短くしてどうやって乗るの?」と思っていたのですが、実はこの方、ミニバイクのレースをしてるライダーなんです。

ミニバイク用のステップって作ったことがなかったので、そこまで短いとは知りませんでした。

そんな経験を得て「良いステップバーの条件」 は以下のようにかわりました。

・ライダーの好みに合わせたホールド性
・レースシーンに合わせた長さ

なんか優等生みたいな回答ですね。
もっと尖ったこと言いたいところなんですが・・・ホントすみません💦

でも「良いステップバーの条件」が全てのライダーにとって共通なら、みんな同じステップバーになっちゃいますね(笑)

ステップバーのレギュレーション

では、つづいてステップバーのレギュレーションについてご説明します。

現在の内容はこうなってます👇

・フットレストの先端は、中空でない一体構造の最低半径8mmの球状でなければならない。

・フットレストは折りたたみ式でも良いが、この場合は自動的に元の位置に戻る仕組みになっていなくてはならない。

・折りたたみ式でないフットレストの先端には、アルミニウム合金、プラスチック、テフロンあるいはそれと同等の材質でできた先端(プラグ)が固定されなくてはならない(最低半径8mm以上)。

ステップバーに関する決まりはこの3つだけ。

でも、読んでわかる通り、けっこう曖昧。

数字が出てくるのって、先端の半径8mm ってとこだけなんです。
バーの長さ、太さにも決まりがないんです。

先端にしても そう。
表記は「最低半径8mmの球状」 とだけ。

そう 、真円じゃなくてもいいわけです。
つまり、なんとなく丸くなっていればイイってことなんです。

あと「折りたたみ式」 って単語がでてきます。
日本では見かけませんが、海外ではDUCATIが可倒式のバー使ってました。

ファクトリーチームのステップバー

レギュレーションがわかったところで、ここからはワークスチームのステップバーを紹介します。

Honda RC213V


ホンダはこの切削パターンがベースになります。
これをさらに加工を加え、細かくするとこうなります👇

強烈なエッジ、触ると痛いぐらいです。

なお、側面にはキリカキ、上面に穴加工を設けて、わざと折れ易い (曲がり易い) 部分をつくっています。

転倒時にこの部分から折れることでダメージが軽減されます。

また、この部分から破損の場合、残った部分での走行が可能です。

Yamaha YZR-M1


ヤマハは5~6年前からこのパターン。
先のほうだけローレットが入ってるのが特徴的です。

普通は左右で同じものを使うのですが、例外もあります。
ロッシです。

ロッシは昔から左右で違うバーを使います。
ちなみに左のシフト側には上図のバーを使ってました。
でも右はコレ👇途中でパターンが変わるんです。
しかも先端が細かくなるという、通常とは真逆の仕様。

普通は滑り止めを強めるため先端のエッジを強くするのですが・・・。

もしかしてロッシの足だし走法 (Doctor’s Dangle) の影響か?
と思ったのですが左右で違うバーは、足だしはじめる前からなんです。

う~ん、なんでだろう??

Suzuki GSX-RR


スズキは幾何学的な模様の切削が特徴的。
あと、楕円になってるのも面白いですね。

ここまでが、GPマシンのステップバー。
以降からスーパーバイクのバーになります。

Honda CBR1000RR-R

切削パターンはRC213Vと同じですが、エッジが弱いですね。
RC213Vのほうが、切削量が深くなってます。

Yamaha YZF-R1

このように先端まで一体のワンピースと先端はプラスチックのプラグを差し込んだツーピースがあります。

加工はツーピースのほうが簡単です。
でも、ツーピースはバーの他に先端のプラグをつくるため時間がかかります。
なので、どっちがイイのか微妙です。

Kawasaki ZX-10RR


これ、はじめて見たときは衝撃的でした⚡
「えっ、なにコレ!?」 って固まりましたね。

「こんなのでグリップするわけないじゃん!」 って思っていたのですが、ジョナサン・レイはこれで6連覇してるわけです。

そう、なのでエッジ効かせてグリップさせればイイというわけではない。

溝に部分に、穴をあけて折れる部分のきっかけを作ってます。
でも実際は、予定通りにならないことが多々あります。
穴とは別の場所で折れちゃってます💦
とはいえ、狙った場所より先で折れてるわけですから結果オーライ。

Yoshimura GSX-R1000


ヨシムラさんは昔ながらのダイヤモンドローレット。
GSX-RRのバーににた楕円タイプを使うときもあるようです。

オマケ:海外での呼ばれ方

たまに仕事で海外のレースに行くのですが、ステップって単語が通じないことがあります。

ボクの発音が悪いというわけでなく、ステップという単語が使われていないのです。

実際、「BACK STEP」で検索しても出てくるのって日本のステップなんです。

先ほどのレギュレーションにあったようにステップバーは フットレスト になります。

ちなみにペダルは フットコントロール になります。

じゃあ、ステップのアセンブリはというと、リヤセット になります。

でも、実際は 「FOOTREST」 で検索してもステップバーは見つかりません。

デスクワーク用のスツール (足乗せ台) しかでてきません💦

海外のステップを探す場合は 「REAR SET」 で入力してください。

これなら逆に日本のサイトは出てきません。

はい、余談は以上です。



今回はここまでになります。
最後までご覧いただきありがとうございます。

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