【遂に完成!】 値段は高いが、いいボルトです。

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【モトロックマンのドライボルトとは!?】

こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

タイトルにもありますが、ついに完成しました!
値段は高いが、いいボルト👇

ドライ潤滑コーティングしたチタンボルトです。

色はガンメタ、もしくはダークグレーといったところでしょうか。

ホントはマットブラックにしたかったのですが・・・(^_^;)

でも、どうですか?
色味に機能性を感じませんか?

そう、これが単なる装飾ではないからです。
カジリ対策の表面処理なんです。

こういった目的や理由をもったパーツはカッコいいでしょ?
そこに、機能美が生まれるからです。

実はこの処理の実現に3年かかってます。
ワンピースのワの国編が終わるまでには販売開始したかったのですが・・・(-_-;)

なお、商品名は 【ドライボルト】 にしました。
ドライ潤滑コーティング・チタンボルト では長すぎるので🤣

はい、そんなわけで今回はドライボルトのご紹介になります。

一番の特徴は?

ズバリ、かじらない!
それを目的としたボルトです。

じゃあ 「この処理がしてないチタンボルトはかじり易いのか?」と言われると決してそうではありません。

弊社に限らず、バイク用として販売されてるチタンボルトの多くが転造で出来てます。

滑らかで硬いねじ山を成形されるため、かじりにくく出来てます。

モトロックマンのボルトも一度もかじったという報告はありません。

ただ、チタンは性質上かじり易い材質なんです。

ちなみに、その件はコチラの投稿で詳しく説明しております👇
【耐摩耗性は硬度に依存する】耐摩耗性はチタン唯一の弱点?

かじりの一番の原因は摩擦です。
なので、ゆっくり回せば、ある程度かじりは防げます。

でも、サーキットではそうはいきません。

スピーディーな作業が要求されます。
ゆっくり回してる余裕はありません。

ちなみに、24時間耐久ともなるとキャリパーのマウントボルトなどインパクトを使って脱着する部分もあります。

現在の耐久レースではパッド交換はしません。
キャリパーごと交換します。
また、耐久パッドは非常に厚いため8耐で使い切ることはありません。
そのため、カジリが起こる部位にはスレッドコンパウンドやモリブデングリスが必須となります。

ただし、グリスには以下の問題もあります。

・トルク管理ができない
・ゴミやホコリの付着
・金属粒子により詰まる

これらの問題があるため
「極力グリスは使いたくない!」
というチームも多いです。

でも、ドライ潤滑コーティングならこれらの問題を解消できます。

トルク管理の問題

トルク管理にはトルクレンチを使うわけですが、トルクレンチって実は摩擦 (抵抗) 値を測定してるんです。

軸力 (締結力) は抵抗値から判断してるわけです。

でも、グリスを塗ると摩擦が軽減します。

また、塗る量や塗る部位によっても摩擦の軽減率は変わってしまいます。

そうなるとトルクレンチの数値が全くあてにならないわけです。

では、これが潤滑コーティングになると・・・

まず、摩擦が軽減することは同じです。
ただ、被膜なので軽減率は一定なのです。

よって、基準値さえ決めてしまえばトルク管理ができるわけです。

ゴミ・ホコリの付着問題

グリスは少なからず粘度があります。
そのため、ホコリや砂などが付着してしまう恐れがあります。

密室ならゴミや砂は防げますが、人が動く以上ホコリは起こります。

ゴミや砂が付着した状態でネジを締めると、当然ねじ山・ねじ穴を痛めることになります。

そのため、しっかりしたレースチームになると、頻繁にボルトを洗浄します。

でも、ねじ穴は同じようにいきません。
洗浄が困難な部位もあります。

でも、これがドライ潤滑コーティングになると・・・

乾式被膜のためゴミの付着はありません。

仮にホコリがついていても簡単に吹き飛ばすことができます。

よって、ゴミの付着によるネジ山・ネジ穴の損傷はありません。

金属粒子による詰まり問題

これは、まぁオマケですね。
どういうことかと言うと・・・。

モリブデングリスには細かな金属粒子が入っています。

これがベアリング的な働きをするため、動きが滑らかになります。

ただし、使う場所によってはこの金属粒子が詰まりの原因になることもあります。

でこれがドライ潤滑コーティングならと大丈夫!  なのですが・・・
詰まって困るって、とエンジン内の話です。

そこで社外のチタンボルトを使うことってあまりないです。
純正品を使うことがほとんどです。

また、エンジンの組み立てには金属粒子の入ってない専用のグリスもあります。

なので「ドライボルトなら詰まらないですよ」って話なんですが、そもそも詰まる場所に使わないですね。

世界初!?

ドライ潤滑処理を施したチタンボルトは弊社オリジナルではありません。

ファクトリーチームでも使用されています。

ECSTAR SUZUKI (スズキ・ファクトリー) 👇

KRT (カワサキ・ファクトリー)👇

どちらも見える範囲のボルト全部に潤滑処理がしてあります。

ぶっちゃけ、このスズキとカワサキのボルトを見てドライ潤滑のラインナップを考えました。
でも、全く同じ処理ではありません。

違いに関しては後ほど説明しますが、ドライ潤滑コーティングをチタンボルトに施したのはモトロックマンが初ではないでしょうか?

長いことチタンボルトに携わってきたボクが一度も聞いたことがありません。

かなり調べましたが、見つけることはできませんでした。

少なくとも、国内では初と思われます。

値段は高いが、いいボルトです

気になる金額ですが、無地のチタンボルトに比べ約1.5倍になります。(弊社内比較)

高いですが、効果は保証します。

触っただけで違いを感じることができます。

それに高いと言いましたが、ファクトリーチームのものと比べれば格安です。

ファクトリーがしてる表面処理って「それだけでボルトが何本買えるんだ!?」 って値段なんです。

ウチでもファクトリーと同じ処理にすることは可能なんです。
単純に同じ処理屋さんに依頼すればイイだけのことですから。

でも、ボルトだけでバイクも買える金額になるのって現実的でないですよね。

何が違う?

では、ファクトリーチームの潤滑処理とモトロックマンのドライ潤滑コーティング、何が違うかと言うと・・・。

弊社のはコーティングなんです。
つまり表面に被膜を成形してるわけです。

例えるならメッキに近い感じですね。

対して、ファクトリーのものはアルマイトのような浸透系の処理なんです(※)。
(※) 厳密には浸透系ではありません。

極端にイメージ化するとこんな感じです👇

左が被膜系、右が浸透系です。
見た感じ、浸透系のほうが耐久性に優れてると思いませんか?

それが、必ずしもそうとは限りません。

潤滑被膜が簡単に剥がれるかと言えばNOです。

浸透系より先にキズがつくかと言えばそれもNO!

ボルトに工具あてたとき、どちらも工具跡がつきます。

これは表面処理にキズがつくというよりもボルト自体に跡がつくからなんです。

なかには、キズがつきにくくする処理もありますが、それは別の投稿でお話します。


上はJGP3を走る7Cさんのステム。
2023年からドライボルトのテストを兼ねて使ってもらってます。

すでに数戦が経過しており、ボルトは何度も脱着を繰り返しております。

工具の跡らしきものがあります。
六角部の角はチタンの地がうっすら見えます。
でも剥離はありません。

一般的な使用の場合、ここまで跡がつくことはありません。
でも、これはこれで革製品のような味があってイイ感じではないでしょうか😁

なぜ、開発に3年もかかったのか?

冒頭にも書きましたが、このボルトの完成に3年もかかりました。
なぜそれほどかかったのか?

いくつか理由があります。
でも1番は、それだけこの処理が困難だから。

この件を話すとかなり長くなるので別の投稿で説明いたします。

コーティングサービスもあります

既に弊社のボルトを購入されている方も多々いらっしゃいます。

この投稿を読んで
「こんなボルトが出るなんて・・・😤」
「このボルトにしたかった😭」
なんて思われる方もいるのでは?

そんな方々のためにコーティングサービスも承ります。

1回の処理代が22,000円(税別)になります。
まとめて出来る処理なので1本でも10本でも同じ値段です。

なので、仲間内でまとめて依頼すればお得です。

とはいえ上限もあります。
以下のサイズの箱に入るだけとなります。

縦 X 横 X 深さ = 100 X 150 X 80mm

この中に入らない量の場合は2セットとなり倍の価格になります。

ここに入らないほど長い場合はNGです。

もちろんモトロックマン製のボルトが条件です! と言いたいところですが、他社の製品も承ります。

最後に

ドライボルトは正直クセのあるボルトです。
そのためレース専用としての販売になります。

購入前にまずはお問い合わせください。



今回はここまでになります。
最後までご覧いただきありがとうございます。

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