【マグネシウム・アルミ鍛造ホイールの人必見】 チタンボルトは大事なバイクを腐食から守る!!

この記事は約5分で読めます。

チタンの真実・第四弾:チタンは錆びないだけじゃない! 取付けた相手も錆びさせない。

こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

チタンボルトが錆びないことは多くの方がご存知と思います。
でも、「締め付けた相手も錆びさせない」 ってご存知ですか?

では、順に説明していきます。

錆びさせないとは?

そもそも 錆させないとは、
チタンが接触した金属を錆びさせない」 ということです。

そしてチタンが錆びない・錆びさせないのは

不動態により外部の影響を受けない から
不動態により外部に影響を与えない から

チタンが錆びさせないのなら逆に、
接触した金属を錆びさせる現象」 があるということにもなります。

これを 異種金属接触腐食 といいます。

異種金属接触腐食とは?

あまり聞かない単語ですが、内容は読んだ通りのままです。

異なる種類の金属が接触した状態のときにおこる腐食」ということです。

電蝕 もしくは、ガルバニック腐食 とも言います。

異種金属接触腐食の具体例

上はキャリパーのブリッジボルトです。
ボルトの頭部は完全に腐食。
亜鉛メッキは残っていません。

首下の半ネジ部はキレイです。
ここはキャリパーにふれていないため異種金属接触腐食が起きていません。

最後はネジ部。
メッキは剥がれ、ところどころ錆が発生しています。それにアルミの付着もあります。これ、キャリパーのネジ山なんです。腐食が進行するとねじ山も痩せてしまいます。

これがもしブレンボのレーシンキャリパーだったらゾッとしませんか? マルケジーニのホイールだったらどうですか?

なぜ、異種金属接触腐食が起こるのか?

異種金属接触腐食の原因、それは「金属間による電位の共通化」です。
はぁ? なんのこっちゃ? ですね(;・∀・)

では、わかりやすく説明します。

ジャイアンという金属が100円持っています。スネ夫という金属は500円持っています。
ジャイアンは 「お前のものはオレのもの」と言ってスネ夫から200円奪いました。
これでジャイアンは300円、スネ夫も300円。
いっしょの金額になってジャイアンは「心の友よ!」 と喜びます。
でも、スネ夫はお金と元気をなくし、次第に腐っていきます。

だいたい理解できのでは?(笑)
もう一度、きちんと説明します。

違う金属が接触した状態で水 (水分) がかかると、互いのもつ電位を共通化しよとする化学反応がおこります。そして奪われた側の金属に腐食がおこるわけです。

接触した金属の電位の差が大きいほど、腐食も激しくなります。

金属元素の標準電極電位

これが金属元素の電位表です⇩

バイクによく使われる金属、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、チタニウム(Ti)、ステンレス(SUS)、鉄(Fe) を電位順に並べるとこう👇

SUS(+0.34) >Fe(-0.44) > Ti(-1.63) >Al(-1.66) > Mg(-2.36) ※1

左が右に対して攻撃性があるということです。(強い→弱い)
アルミ (Al) の製品に鉄 (Fe) のボルトを使った場合、アルミ部品が腐食します。

では、マグネシウムのホイールに対してステンレスのボルトをはどうでしょうか?
もう最悪ですね(-_-;)

じゃあチタンは?
アルミとほぼ同じ電位で、マグに対しても近い数値です。つまりアルミやマグに対して攻撃性が低いということになります。

また、チタン自体が錆びない金属なので鉄やステンレス からの攻撃も効かないわけです。
だからチタンボルトは最高なんです・・・

ここまでの電位の説明、ボクも他のサイトやブログで勉強しました。
でも実はこれ、大マチガイ!!! です。
ここには2つの間違いがあります。

1つ目の間違いは、電位表。
2つ目の間違いは、考え方。

では、具体的に説明します。

実環境において金属電位は変化する

まず1つ目の間違いは、先の電位表が元素状態の数値なんです。
実環境では 大気の影響 を受け、以下のように数値が変化します ⇩

チタン (+0.4) > ステンレス (+0.34) > 鉄(-0.35) > アルミ(-0.45) > マグネシム(-1.35) ※2

見てください、チタンの電位。最悪です。
「メッチャ攻撃性高いじゃん!」 ってことになります。

はい、これが2つ目の間違いです。

チタンは異種金属接触腐食に対し優れるのではありません。
チタンは 異種金属接触腐食が起きない のです。

はじめに説明した通り、チタンは不動態によって外部からの影響を受けません。よって化学反応が起きないんです。

じゃあ、不動態を持つステンレスは?
ステンレスのベースであるクロムの不動態はとても強いです。そのためステンレスとは 「錆びない」 という意味です。

しかしながら、ステンレスは錆びます。その原因はステンレスの不動態の脆弱化です。

不動態の弱体化により錆びや異種金属接触腐食がおこります。

では、不動態を破壊するものとは?
答えは、塩化物イオン です。

不動態の弱点は塩化物イオン

不動態の最大の弱点は塩化物イオン。そんなのどこにあるの?って思いますよね。

たしかに大気の成分には含まれていません。でも、成分に含まれないだけで大気中にいます。排気ガス、下水、潮風など様々です。

ステンレス以外にも不動態をもつ金属はあります。でも、それら共通して塩化物イオンにより不動態が破壊されます。

そんななか唯一、塩化物イオンの影響を受けないのがチタンの不動態なんです。

ステンレスボルトは注意

最も異種金属接触腐食を引き起こすのはステンレスボルトです。

大事なバイクやパーツを守るならステンレスボルトは控えるべきです。チタンとまでは言いません、鉄でも構いません。出来るだけ表面処理の強いものにしてください。

強い表面処理で化学反応を防ぐことができます。それでも心配な方はモトロックマンのチタンボルトをお使いください(笑)

補足 (※1、※2について)

標準電極電位ではFe、Al と記載したのは元素状態での数値だからです。
実環境では金属になるので、鉄、アルミと言いかえてます。

それと標準電極電位でステンレスをSUSと表記してますが、
SUSなんて元素はありません。
わかりやすいようにアレンジしてあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました