【バイクオタク必見】 締め付けトルクの正体は!?

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【最初に買うトルクレンチならコレ!】

こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

今回はオススメのトルクレンチの紹介と締め付けトルクのお話です。

では早速まいります。

はじめてのトルクレンチならコレ!


トーニチの MTQL70N

これバイク用と言うだけあって、対応トルク数値がバイクに最適。

M6、M8、M10に対応した 10~70N・m

M6以下やM12以上の測定ができませんが、一般整備としては具合の良い数値です。

ボクもいくつかトルクレンチを持っていますが、このレンチの使用率がダントツ。

17,000円前後ですが、使い勝手からすると決して高すぎる金額ではないですよ。

トルクレンチは必要か?

トルクレンチはあったほうがいいですね。

後ほど詳しく説明しますが、実はトルクレンチの数値ってそれほど正確じゃないんです。

トルクレンチを使っても不正確なら、使わなかったらどれほどいい加減でしょうか。

とりあえずトルクレンチがあれば
「締め付けが弱くて緩む」
「締め付けが強すぎて破損」
ってことにはならずに済みます。

そもそもボルトはどうやって締結(固定)される?

ボルトを締めこんで、座面が接触するとボルトはそこで一旦とまります。

それをさらにねじ込むと、ボルトもさらに奥へ進みます。

頭部が固定されているのにボルトが奥へ進む
ということは、ボルトが伸びているわけです。

伸びたボルトが元に戻ろうとするためテンションがかかりボルトが固定されるわけです。

伸びた状態から元に戻ろうとする力
これを 軸力といいます。

ボルトの締結とはこの軸力のことなんです。

締め付けトルク≠軸力

では、トルクレンチで測定してるのが、軸力かと言うとそれが違います。

摩擦という余計なものまで計測されます。
具体的には、座面とネジ山でおこる摩擦。

式にするとこうです👇

規定トルク=座面の摩擦+ねじ山の摩擦+軸力

トルクレンチが正確ではない理由:その①

締結において最も重要な軸力のみをトルクレンチでは測定できません

また、トルクレンチが測定する数値の内、軸力は全体の10%前後なんです。

10N・mの締め付けトルクの場合、たった1N・m前後しかないわけです。

ちょっとした締め付けトルクの誤差が、軸力では大きな誤差になります。

トルクレンチが正確ではない理由:その②

軸力が全体の10%ではなく、10%前後 という言い方をするのは、摩擦の力が曖昧だから。

条件によって摩擦にバラつきがあります。

何度も脱着を繰り返してとキズがつき抵抗が増します。

ゴミの付着によっても抵抗が増えます。

新品の状態とは違うわけです。

「実はトルクレンチの数値ってそれほど正確じゃないんです」と言ったのはこのためなんです。

トルクレンチは目安

トルクレンチでは軸力が測れない
「じゃあトルクレンチいらないじゃん」 って思いませんか?

逆です。前にも言いましたが、計測器でも曖昧なものを手でやったら、どんだけ加減になることか。

よって、トルクレンチは目安として必要なんです。

軸力を測る方法

実は、軸力のみを測る方法があります。

軸力計 です。

でも、かなり高額なんです。
それに、工具の形状をしていません。

計測に時間がかかり、計測できるところも限られてしまいます。

バイク整備では現実的でないです。

グリスアップはトルク

ボルトのカジリ対策に最も効果があるのが グリスアップ です。

しかーし!
グリスアップした場合の規定トルクがわかりません。

サービスマニュアルの数値は基本ドライの状態です。

規定トルクには摩擦も含まれるわけです。

グリスを塗って同じ締め付けトルクにした場合、確実にオーバートルクになります。

そのため、レースでもチームごとにトルク管理のノウハウが異なります。

トルク管理が必要な部位は、できることならグリスアップしないほうがいいですね。

なお、ボルトのグリスアップについてはコチラの記事で詳しくまとめております。

合わせてお読みください👇
【マニアック】 チタンボルトのグリスアップについて考える

チタンボルトの締め付けトルク


あと、締め付けトルクの記事でお伝えしたいのが、チタンボルトの締め付けトルク。

ウチへの問い合わせで一番多いのがコレ。

材質が変われば、強度が変わります。
当然ですが軸力も変わるわけです。

ですが、サービスマニュアルの数値でOK!

純正の鋼のボルトと64チタンの場合、それほ数値に差がでません。

それよりも気をつけてほしいのが 座面の面積 です。

極端に面積が違う場合はトルクを変える必要があります。

純正よりも座面が小さくなれば当たり面積が減少し、締め付け時の摩擦も減少します。

そこへ従来のトルクをかければ当然オーバートルクになります。

なお、弊社の商品ではKナットに注意が必要です。

座面が純正よりも小さいのでサービスマニュアルの数値はNGです。

オマケ:トルクレンチはいづれなくなるかも?

これはボクの考えですが、トルクレンチはいづれなくなります。

なぜかと言うと、見てしまったんです。
2017年の東京モーターショーでコレを👇


軸力計測レンチ です。

トルクレンチ同様に工具として軸力が測れるわけです。

いずれ市販され、一般化されるときがくるんでしょうね。

でも、そのときはサービスマニュアルも 規定トルク から 規定軸力 に変えないといけないですね。



今回はここまでになります。
最後までご覧いただきありがとうございます。

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