【チタンの真実・第8弾:チタンは強度でクロモリに劣る、でも実は・・・耐力で勝る】
こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。
今回のテーマは耐力。 正確には 0.2%耐力とか、降伏点と言います。
「えっと?どゆこと?」(;゚Д゚)??ですよね~。では、説明いたします。
0.2%耐力とは?
0.2%耐力とは、荷重を受けた金属に0.2%のひずみが起きる応力値です。
なぜ 0.2%かというと、この時点でひずみが元に戻らなくなるから。つまり、永久変形が起こる数値なんです。
多くの金属が0.2%でひずみから永久変形しますが、ステンレス鋼は0.1%で元に戻らなくなります。
材質によってパーセントを言い換えるのもメンドクサイので、数字を略して耐力と呼ぶ人が多いです。
降伏点とは?
次項の表の耐力の欄を見てください。”降伏点または耐力” とあります。耐力と同じ意味を表すのが、降伏点です。
金属が永久変形することを降伏と言い、降伏がおきた数値を降伏点と言います。
左は降伏点が明確です。対して右にはきっかけとなるポイントがありません。
金属によっては降伏点がわかりづらいものがあります。そういった金属に対しては、0.2%変形した時点を降伏点とします。ただし、その場合は降伏点とは呼ばず、0.2%耐力といいます。
チタン合金 VS クロモリ
耐力についてわかったところで、ここからが本番です。チタン合金Ti-6Al-4VとクロモリSCM435を比較してみましょう。
まずは強度、
SCM435が930N/㎟、Ti-6Al-4Vが900N/㎟、若干ですがクロモリ鋼が上回る感じですね。
次に耐力、
SCM435が785N/㎟。Ti-6Al-4Vが845N/㎟、かなりの差が生じてます。
つまりクロモリ鋼のほうが先に変形するが、チタン合金のほうが先に折れる。ということです。
ボルトの寿命は?
強度で勝るクロモリ鋼。
耐力で勝るチタン合金。
ボルトとしてどちらに軍配が上がるのでしょうか? 難しい問題ですね。
ちなみにレースでは距離管理をしてるところもあります。変形がなくとも定めた距離に達したボルトは交換します。
チタンの真実
モトロックマンがお伝えするチタンの真実は8つ。もう全て見ていただいていますでしょうか? まだだよって方は、以下のリンクよりぜひ見てください!
① チタンは希少! でも実は・・・
② チタンは軽い! でも実は・・・
③ チタンは錆びない! でも実は・・・
④ チタンは錆びさせない? 実は・・・
⑤ チタンは折れる!? でも実は・・・
⑥ チタンは強い! でも実は・・・
⑦ チタンは硬い! でも実は・・・
⑧ チタンは強度でクロモリに劣る? でも実は・・・
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はい、今回の記事はここまで。
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