【ラジアルマスターって何がいいの?】 ラジアルマスターはなぜコントロール性に優れる?

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こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

今回はラジアルマスターのお話です。

「ラジアルマスターって何がいいの?」と聞かれて、「コントロール性がいいんだよ」と答えれる人は多くいます。

じゃあ、「なんでラジアルマスターはコントロール性がいいの🤔?」

この質問に答えれる人は少ないのではないでしょうか?

そんなわけで今回はラジアルマスターが優れている理由を解説します。

そもそもコントロール性とは?

普段あたりまえに使ってる「コントロール」って言葉ですが、あらためてweblio辞書で調べるとこんな風に書かれていました。

・ちょうど良い具合に調節・制御できること
・ボールを自分の思うところに投げることができること

これをマスターシリンダーにおきかえると、レバーを握ったら握った分だけ効くブレーキ ということになります。

ちなみにこの「入力に比例した反応が返ってくる」という現象を リニアレスポンス と言います。

でかいピストンでフリクションを低減

「レバーを握ったら握った分だけ効く」 あたり前に思えるかもしれませんが、決してそうではありません。

物体が動くときって、必ず抵抗が発生します。水中だろうが、空気中であろうが抵抗はあります。

移動量が多くなるほど摩擦抵抗が増えます。入力値が正確に伝わらなくなります。ちなみにこれをフリクションロスと言います。

では、どうすればフリクションロスを減らすことができるのでしょうか?
答えは簡単、移動量を減らせばいいわけです。

では、移動量を減らすにはどうすればいいのでしょうか🤔?
それは1度にたくさんの量を運べばいいわけです。

つまり、シリンダを大きくすればいい ということです。


上のキャリパーはbremboの定番φ34+30のストリートキャリパーです。

このキャリパーをWディスクで使用する場合、bremboの横押しマスターはφ16 が推奨となっています。NISSINの横押しならφ5/8 (15.87) となります。

そしてこれが、ラジアルになるとφ19が推奨となるわけです。大きくして移動量を減らしています。

長いレバーでテコの働きを強める

シリンダー径を大きくすることでフリクションロスを軽減できますが、デメリットもあります。
重くなるんです。一度にたくさんの量を送るので、力を必要とします。

では、どのようにしてより多くの力を送れば良いのでしょうか?
握力を鍛えればいいのでしょうか🤔?
長いレバーを使ってより強いテコを働かせればいいのです。

そのため、ラジアルマスターのレバーは横押しに比べレバーが長く作られています。

長いレバーはストロークが増える

レバーが長くなることでテコが強くなるわけですが、デメリットもあります。
握る量が増えるんです。レバーが長くなるだけストローク量が必要になります。

でも実は、レバーストロークが増えるのはメリットなんです!


上が横押しマスターを表すシーソー、下がラジアルになります。

オモリを1cmだけ持ち上げるとき、上のシーソーでは1cmだけ押すことになります。対して下のシーソーは2cm押すことになります。

では今度、オモリを半分の0.5cmだけ持ち上げる場合はどでしょうか?
下のシーソーは1cm押すのに対し、上のシーソーはかなり微妙な加減が必要になります。

レバーストロークが増えることでより繊細な操作が可能になる わけです。

ピストンの大径化によりフリクションロスが軽減し、レバーの延長により繊細な操作の実現する。つまりは、コントロール性が向上!というわけです。

縦型配置は都合上

ハンドルに対しシリンダーが縦型に配置されるためラジアルマスターと呼ぶわけですが、縦型配置によるメリットは特にありません。

長いレバーを設置する都合上、縦型になったわけです。


上から順にラジアル、セミラジアル、横押しのレバーになります。

上になるほど力点から支点が遠ざかり、レバー比が高くなります。つまりテコの働きが強くなるわけです。

また、上になるほどシリンダー径が大きくなります。

・ラジアルのシリンダー径は、φ17.46~19
・セミラジアルのシリンダー径は、φ16~7.46
・横押しのシリンダー径はφ14~16

もし、シリンダーを反対に倒した逆セミラジアルにすれば、更に大きなシリンダーと長いレバーも可能です。

でも、そこまでやるとストロークが増えすぎて、逆にコントロール性が悪くなるかも?




今回の記事はここまで
最後までご覧いただきありがとうございます。

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