【モトロックマン製チタンボルト】 後発の強み! イイトコどりしたボルト

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こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

今回はモトロックマン製チタンボルトの自慢です(笑)
たまには、自社製品の紹介もします。

モトロックマン製ボルトの特徴

弊社のボルトの特徴は

・バイクエンジニアが設計
・ネジ屋さんが製作

ということです。

バイクのエンジニアが設計すると?

バイク一筋のエンジニアが設計したボルトは、こんな感じになります ⇩

・バイク専用の設計が可能
・汎用と専用の見極めが可能
・ファクトリー部品のイイとこどり

では具体的に説明いたします。

工業製品とは違う! バイク専用設計


上の写真は全部がM6のフランジボルトです。バイク用が工業規格とは違うことがわかります。

ホンダとカワサキのボルトは全て同じ寸法です。でも実は、バイクのボルトには規格がありません

規格がない以上、バイクを知らないとバイクのボルトは出来ないワケです。

ちなみに工具幅 (六角二面幅) は工業規格品が10mm、対してホンダ、カワサキ用が8mmです。

適材適所! 部位や用途に応じた設計

作業性を考えると工具のかかり代は少しでも増やしたい。チタンの軽さを考えると少しでも小さくしたい。

この問題を解決するのに必要なのは “経験” です。バイクに携わってないことには解決できません。

ボルトを設計するうえで、こういった問題は多々あります。いくつか具体例を紹介します。

例1:ヤマハのディスクボルト

ディスクボルトは、なめやすい!
特にちょっと前のヤマハ。最近は六角穴からトルクスに変わり、少し良くなりました。

とはいえ、作業性はトルクスよりもフランジボルトが格段に上。そのためモトロックマンでは、純正形状に右ならえのボルトは作りません。

例2:ホンダのディスクボルト


ホンダのディスクボルトは六角穴が深いため、ナメルことはありません。でも、やっぱりフランジボルトの作業性には敵いません。


モトロックマンでは通常のフランジボルトとは別にディスク用のフランジボルトを用意しております。

例3:リヤサスペンションのリンクボルト

写真のようにネジ山なのない部分あるものを半ねじと言います。
対して頭部の下までネジがきってあるのを全ねじと言います。

半ねじのネジ山長さは規格で決まってます。
通常サイズは、ねじ径×2+12
マイクロサイズは、ねじ径×2+6

例えば M10の通常サイズ場合、
10×2+12 =32mm になります。
これがマイクロサイズの場合は、26mm になります。

モトロックマン製を含め多くのチタンボルトメーカーは、後者のマイクロサイズを採用しています。

ただし、リヤサスペンションのリンクボルトをつくる場合は別です。
サスペンションのあたる部分は全てフラットにしたいので、ねじ山の法則は完全に無視です。

このように部位や用途に応じた設計が出来るのも、バイクを知っているからこそです。

※現在、リンクボルトはレースサポートのみとなっております。市販はしておりません。

ファクトリーボルトのイイとこどり

ぶっちゃけて言いますが、コネクションを使って各ファクトリーチームのボルトを入手しております。

どのチームもそれぞれに特徴があります。それらを吟味、検討したうえで出来たのがモトロックマンボルトです。

なので、使い勝手が悪いわけがない! レースでもバリバリ使える仕様となっております。

ネジ屋さんで製作する理由

モトロックマンボルトの製作に対するこだわりは、加工屋さんではなくネジ屋さんでつくること。

では、何を持って 「ネジ屋」 と言うか?
ズバリ! 鍛造転造 ができること。

鍛造のメリット

鍛造で得られるメリットは2つ。

1. 形状に沿ったファイバーフローの作成
2. 材料の歩留まり率の向上

ファイバーフローによる強度UP!

鍛造は、材料を金型に入れ、圧縮・打撃によって成型します。この工程により金属繊維 (メタルファイバー) がボルトの形状に沿った流れになります。これを鍛流線 (ファイバーフロー) と言います。

オール切削の金属繊維は加工面で分断されますが、鍛造によるファイバーフローは途切れることがないため衝撃へ耐久性が向上します。

また、圧縮されたことで密度も高くなります。材料状態よりも強度が増し、粘り強くなります。

材料コスト削減と加工時間の短縮

鍛造にるメリットはファイバーフローだけじゃない! 更にこんな得点があります。

・材料代の削減
・切削加工時間の短縮

オール切削の場合、材料は最大径と全長以上にする必要があります。鍛造は押し伸ばされて形づくるため、材料は小さくて済みます。ただ、下図はちょっと大げさに書きすぎました  (-_-;)

また、鍛造でほぼ製品状態になっているため、仕上げの切削量が非常に少ない。材料の歩留まり率 (使用割合) はオール切削が50%程度、鍛造切削は90%以上! オール切削と比べ、切削にかかる時間は1/3以下になります。

転造のメリット

転造による効果は、鍛造とほぼ同じです。

・ネジ山に沿ったファイバーフローをつくる
・仕上がりがなめらか

ネジ山に沿ったファイバーフローで強度UP!

切削ネジの金属繊維はねじの谷で切断されます。鍛造はネジ山に沿ったファイバーフローをつくります。

これだけでも耐久性が上がるのですが、塑性変形の加工硬化もあり、切削ネジの1.2~2倍の強度になります。

ちなみに塑性変形とは、簡単に言うと永久変形です。圧力によって変形した金属は元に戻ろうとしますが、圧力が大きすぎると元の形には回復できない、というわけです。

なめらかな仕上がり

切削のネジ山に比べ、面粗度が良好。キレイでなめらかな仕上がりになるためカジリにくくなります。

そのためモトロックマンのボルトにはカジリ防止剤は不要! と言いたいところですが、スレッドコンパウンドはやっぱりオススメです。

カジリを防ぐだけでなく、締結力が増します。また、精度が高まり作業も容易になります。

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オマケ・・・ファイバーフローとメタルフローの違い

メタル・ファイバー (金属繊維) のメタルをとってメタルフロー、ファイバーをとってファイバーフロー。言い方は違っても意味は同じです。

また、金属繊維のことをファイバー (メタル) フロー と言う人もいれば、鍛造や転造で変形した金属繊維のこと言う人もいます。

どちらが正解かはわかりません。ただ、ファイバーフローを漢字で書くと “鍛流線” です。鍛造という字が使われているので後者が正しいのかもしれません。



はい、とりあえず今回はここまで。
チタンについてはさらにマニアックな情報を掲載しております。
ぜひご覧ください。

 

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