“こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。”
ブログはいつもこのくだりでスタートしてます。
でも、「カッコ良ければ何でもあり」 ってわけではありません。カッコいいと思ってしたことが、その本質をわかっていないと逆に恥をかくなんてことも(;゚Д゚)
異径キャリパーを使ったカスタムもその1つ。ときどき間違った使い方を目にします。
今回は異径キャリパーの正しい使い方について説明いたします。
異径キャリパーとは?
異径キャリパーとは、読んで字のごとくピストンの径 (サイズ) が異なるキャリパーです。
上の写真は昔から定番のブレンボのアキシャルキャリパーです。これは、φ30とφ34のピストンが装着された異径キャリパーです。
ちなみに表記は、P4 30/34 となります。P4はピストンが4個という意味。30と34はピストンの大きさになります。つまりこの場合、φ30が2個、φ34が2個の計4個の対向キャリパーになります。
異径の理由は?
パッドをディスクに均等に接触させる、それが異径ピストンの目的です。
「えっ! 均等にするなら同径のほうがいいのでは・・・」 と思いませんか? 実はそうではありません。
同径ピストンでパッドをディスクに接触させると、パッドが回転方向 (進行方向) に引き込まれ摩擦力が倍増します。
そのため、本来のパッドの効果よりも高い制動力を発揮します。これを セルフサーボ効果 と言います。ただし、先行で接触するほうが多く削れるため 変摩耗 が起きます。
これは、グラインダーの加工に似てます。
変摩耗することで本来のブレーキ力は発揮できません。
また、パッド交換時期も早くなります。
こういったことにならないよう対策をしたものが、異径ピストンのキャリパーです。
先行で接触する側はパッドが減りやすいので小さいピストン。パッドの減りが少ない後半に大きいピストンを設置してます。
これでパッドにバランス良い摩擦を発生させ、偏摩耗も防ぎます。
同径キャリパーはダメなの?
異径キャリパーがパッドを均一に削るためなら同径キャリパーはダメじゃん! ってことになります。でも、決してそうではありません。
同径ピストンもパッドを均一に当てる工夫が施してあります。代表例を2つ紹介します。
brembo アキシャル P4 34 の場合
このキャリパーは、φ34とφ34の同径キャリパーです。下の写真を見れば一発で偏摩耗の対策方法がわかります。
そう、ピストン1つに対し、パッドも1つなんです。よって片側2パッドの計4枚パッド。
それもピストンに合わせたパッドサイズになってるので偏摩耗することはありません。
brembo ラジアル GP4RX の場合
このキャリパーは、φ32とφ32の同径キャリパーです。先ほどとは違い片側1枚パッド、計2枚パッド。つまり一般的な横長のパッドです。
ではどうやって偏摩耗対策してるかと言うと、ライニング (摩擦材) が分割してるんです。
これなら1ピストン/1パッドと同じ効果ですね・・・と言いたいところですが、ところがどっこい! 下を見てください。
パッドにライニング幅が片側づつ違います。今までとは勝手が違います。
試乗してみましたが、特に違和感はなくむしろとても具合の良いブレーキフィーリングでした(^^)/
これが同径キャリパーの最新のありかたのようです。
ちょっとヤバイ同径キャリパー
実は、いくつかの車種にダメな同径キャリパーがあります。
下のパーツリストを見てください。
パッドは片側1枚、分割もしていません。ピストンは4個共通なので同径ピストン。
つまり、偏摩耗の対策がない同径キャリパーなんです。
「これ大丈夫なのか?」 と思い、実際に試乗しましたがハッキリ言って全然ブレーキ効きません(+o+)💦
純正の中にこういうキャリパーが使われているのが驚きです。
異径キャリパーの使い方には注意
異径キャリパーと同径キャリパーの構造がわかったところで、ここからが本題です。
一部のカスタムユーザーで異径キャリパーを間違えて使ってるのをたまに目にします。
ズバリ言っちゃうと、旧車のフォーク前装着ととエクストリーム (スタント) 系のリヤ装着です(*_*)
Z系のフォーク前装着
このようにフォーク前に取り付けができるのはキャリパーが、1ピストン/1パッドだからです。
これが異径キャリパーだったらNG!
装着した姿をイメージしてください。ディスクの回転方向に対しパッドの大小が、反対になってしまいます。
ボク自身、異形キャリパーを前につけた状態で試乗したことないです。なので全否定はしませんが変摩耗は間違いなく起こります。実際の効き味はどうなんでしょうか?
エクストリーム系のリヤ装着
エクストリーム系のライダーを真似て、2~3個のキャリパーを装着したのを見たことあります。
上図のような装着でした。これ、上のキャリパーはOKですが、下はNGです。
最近はラジアルキャリパーを使うようですが、考え方は同じです。スイングアームより上とか下というのは重要ではありません。大事なのは先行する側に小径ピストンがくるようにすることです。
問題:これは合ってる? 間違ってる?
ではここで問題です。
以下の写真は装着として合ってる? それとも間違ってる?
答えはこの記事の1番最後にあります。
それにしてもこれ、エアー抜きがたいへんそうですね。
ちなみに、エアー抜きにもコツがあります。
コチラの記事で紹介しているので合わせて読んでください。
【教科書には載ってない】 エア抜きを容易にする方法
ポット? それともポッド?
では最後にオマケ。「4ポットキャリパー」、「4ポッドキャリパー」 どちらが正しい?
正解は ポット です。英語のスペルはPOT。間違えないようにしてください。
でも、海外でポットは通じませんでした。ボクの発音が悪いからかもしれませんが💦
それ以来 ”ピストン” と言うようにしてます (笑)
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今回の記事はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございます
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【答え】 〇 :この取付向きは正解です。
間違えた人は、リヤと思ったのではないでしょうか? 正直、ボクも最初は間違えました。
ラジエターの場所、タイヤーの回転指示などでこれがフロントだとわかります(^^)/
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