【教科書には載ってない】 エア抜きを容易にする方法

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こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

以前、ブレーキ開発をしていたときは、毎日フルード交換をしていました。ときには、1日に10回なんてことも。

そのためエア抜き作業が得意になりました。

エア抜き作業においてボクが1番気をつけてるのが、空気の流れ (通路) をイメージする こと。

では、具体的な説明をいたします。

空気の通路をイメージする

画像はリヤキャリパーをスケルトンにしたものです。

液体中の気泡は一番上に集まってきます。エアブリード (エア抜きニップル) から空気を抜くには、ブリードへつながる通路を一番上にくるようにします。

ブリーダーへの通路をイメージすることでエア抜きマスターになれます(笑)

上のような装着状態のまま空気を完全に抜くのは無理です。ブラケットからキャリパーを外し、ブリーダーを一番高い位置にしてエア抜きをします。


マスターシリンダに関しても同じです。ブリーダーへの通路が一番上になるようハンドルをきったり、マスターのクランプ角度をずらしてエア抜きを行ってください。

通路をイメージすることで作業効率がかなり向上します!

他にもエア抜きの際に気をつけることがあるので紹介します。

クリアのタンクホースを試す


ニップルとタンクホースの隙間に気泡が残ることがよくあります。クリアのタンクホースを使えば、気泡を目で確認できます。

ただし、クリアホースは汗をかくものがほとんど。レースで見かけるクリアのタンクホースは必ず汗をかいてます。 (表紙図参照)

※タンクホースについては「【注意】 ブレーキフルードはブレーキオイルではありません!」に詳しく書いています。

ブレーキフルードブリーダーに依存しない


ブレーキフルードブリーダーとは、コンプレッサーを使ったエア抜きツールのことです。

これ、すごく便利です。コンプレッサーを持ってる方には、超オススメ。

でも、これで完結してはダメ!
仕上げは手作業です。


ピストンシール (上がセカンダリカップ、下がプライマリーカップ) は加圧には強いのですが、負圧に対応していません。

そのためコンプレッサーを使った吸引を行うと2次エアを吸いこみます。

シリンダー上面から2次エア吸います。ブレーキタンクにつながるポートやシールの間をエアーが抜けてきます。

泡のようなエアが出てきたら、それは2次エアを吸ってる証拠です。

油圧をかけた状態で半日放置


作業が終わったら、ゴムや結束バンド等でレバーを固定し半日ほど加圧状態にしておきます。

こうすることでかすかに残ったエアーが抜けると言われてます。たしかに、次の日にエア抜きをすると更に気泡がでてくることがあります。でも、それは加圧によるものではありません。単純に微量の気泡が少しづつ上昇したからです。

加圧状態にするのは、Oリングやニップルなどから漏れがないかを確認するためです。

オマケ:マスターシリンダーをカットしました


エアーブリードへの通路がシリンダーの一番端にあります。この部分が一番上になるよう配置して作業するのがキモです。

最後に余談ですが、エアブリードってOリングが使われてないんです。単純にエアーブリードでメクラしてるだけなんです。

よく見て下さい。ブリーダーの先端は面で接してはいません。ボディ側のテーパー角が120°、それに90°のブリーダーで栓をしています。ちなみに同じ角度で作ると漏れます。



今回の記事はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございます

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