こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。
いきなり本題ですが、「ディスクは進行方向と逆に回して固定する」 って知ってますか?
バイクの参考書的なものには「中心に合わせる」とありますが、レースチームはそのような取付はしていません。
今回はその取付理由を説明いたします。
進行方向とは逆に回して固定する
上の写真の場合、ディスクの回転は右回り。よって、逆の左にまわして固定します。
つまり、ブレーキをかけた際にディスクが引っ張られる方向にあらかじめ引いた状態で固定するわけです。
まずは、ボルトを仮組みします。次にディスクを左に回し、取付穴の側面をボルトに接触させてから本締めします。
理由は?
取付穴の側面とボルトを接触させる理由は、ボルトにかかる力を分散させるためです。
上図で上を進行方向とした場合、ブレーキング時には矢印方向の力がかかります。逆に加速時は、遠心力により矢印と逆の向きに力がかかります。
デイスクとディスクボルトには必ず遊びがあります。左のように固定した場合、ボルトの座面に全て依存することになります。
対して右は、ブレーキング時の力をボルトの軸で受け止め加速時の力は、ボルトの座面によって固定されています。ボルトの座面と軸で仕事を分担してるのです。
3点固定 ①
上の写真、ボルトの間隔から3点固定に見えます。でも、よく見てください。ボルト左下の取付穴にノックピンがいるのわかりますか? つまり、計6つの穴をボルト3つ、ノックピン3つで固定しているのです。
ブレーキディスクに一番荷重がかかるのはブレーキング時です。ブレーキングの力はボルトとノックピンの軸で支え、加速時の力は3つのボルトの座面で十分というわけです。
この取り付け方法なら、ボルトの脱着は3本で済みます。作業性に優れることから、数年前から採用されています。
3点固定 ②
これは完全な3点固定です。ノックピンはありません。
3点固定が可能な理由は単純、先ほどよりもディスクボルトが強いから。
先のボルトはM8のフランジボルト、長さも20~25mm程度。対して上図のボルトはφ10の段付きM8ボルト、長さも30mmあります。ボルトは径だけでなく、かかり代が増えることでも強くなります。
※ レースチームは毎レースごとにディスクボルトをチェックしてます。ストリートでの3点固定は危険です。
オマケ:ボルトのグリスアップ
レースではディスクボルトにロックタイトを使うチームと使わないチームがあります。
使わないチームは、スレッドコンパウンドかモリブデングリスを使います。
どれが正しいというものではなく、各チームのノウハウや優先順位の違いによるものです。
詳しくはコチラの記事で詳しく説明してます。合わせてお読みください👇
【マニアック】チタンボルトのグリスアップについて考える
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はい、今回の記事はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございます
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