【レバーを変えてもレバー比は変わらない】
こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。
今回はレバーレシオのお話です。
レバーレシオと聞くと難しく感じますが、実は超簡単!
初心者向けにわかりやすく解説します。
レバーレシオとは?
レバーレシオとは、
ズバリ! テコの原理
「支点から作用点までの距離」と「支点から力点までの距離」の比率です。
上図の場合、B:A がレバー比になります。
支点から作用点まで距離(A)に対し、支点から力点までの距離(B)が長くなるほどテコの働きは強くなります。
では、問題です。
上の1:1のシーソーと下の1:2のシーソー、100kgのオモリを持ち上げるのに必要な力は?
上の1:1の場合、100kgの荷重(力)が必要。
下の1:2の場合、50kgの荷重(力)が必要。
1:2のシーソーは半分の荷重ですみますが、同じ高さまで持ち上げるには、2倍の距離を押す必要があります。
これがテコの原理です。
では、バイクのレバーで、支点・作用点・力点を説明します。
まずは横押しマスターのレバー。
支点:ピボット部
力点:指のかかる部分
作用点:ノッカとピストンの接触点
次にラジアルマスターのレバー。
レバーレシオの表記がない理由
ブレーキレバーのレバー比の表記を見たことありますか?
市販車にしてもアフターパーツのレバーにしてもレバー比は表記されてません。
なぜならレバー比は状況によって変化するからです。具体的には以下の2つの原因によって力点が一定ではないからです。
②マスターシリンダーの取付位置
人によってレバーを握る位置が異なる
このように、手の大きさ、握る位置、掛ける指の本数によって力点は変化します。
バイクによってマスターの取付位置が異なる
bremboにしてもNISSINしても、マスターシリンダーの取付位置は指示してません。また、レバーの指を掛ける位置も指示がありません。
人やバイクによって力点が一定ではないのです。力点が変わればレバー比も変化するため定まった数値がないわけです。
とはいえ、設計上の力点はあります。それに関しては【応用編】の投稿で解説いたします。
レバーを変えてもレバー比は変わらない
時々、こんな質問があります。
「ACTIVEのレバーとZETAのレバーって、どっちのレバー比が優れますか?」
「ACTIVEはマイルド、ZETAはシャープと聞いたのですか・・・」
この答えは「どちらも同じ」
マイルド、シャープと感じるのは、レバー比の違いではありません。握り心地です。
おそらくマイルドと感じるほうが厚みがあるのでしょう。もしくは、丸みがゆったりしているからでしょう。
レバーだけ変えても同じ人間が使う以上、力点は変わりません。
取付部である支点は変わりません。
最後に作用点ですが、意図的にずらした設計をすることは可能です。でも、ピストンへのあたりが変わるため場合によっては危険です。なので作用点は変わりません。
よって、どの社外レバーも支点、作用点、力点は純正と同じです。この3点が同じならレバー比も一緒というわけです。
なお、bremboのRSCやGALESPEEDのレバーは作用点を移動させることができますが、あれはマスターシリンダーがアジャストに対応しているためです。
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はい、とりあえず入門編はここまで。
応用編ではレバー比の具体的な数値についてご説明します。
近日中にアップいたします。
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