【ステップの考察】プレート移動 vs バー移動

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【2つのアジャスト方法】

こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

今回はステップのアジャスト方法のお話になります。

マルチポジションのステップ移動方法は以下の2つ。

・プレート移動式
・バー移動式

では、それぞれのメリット・デメリットを説明いたします。

プレート移動式

まず1つ目が、プレートアジャスト。
マスターシリンダー、ペダル、ステップバーが固定されたプレートごと移動させる方法。

この方式のメリットはポジション移動してもレバー長とレバー比が変わらないこと。
マスターシリンダー、ペダル、ステップバー、この3点の位置関係が常に一定のためです。

厳密にはポジション移動で姿勢が変化するためペダル角度を変える必要があります。
でも、調整する点といったらこれだけ。

デメリットは重くなること。
フレームに固定するプレート、アジャストさせるためのプレート、この2つの大きなプレートを必要とするためどうしても重くなってしまいます

バー移動式

2つ目が、バーアジャスト。
マスターシリンダーとブレーキペダルは固定で、ステップバーのみの移動でポジションチェンジを行う仕様です。

この方式のメリットはパーツ点数が減り軽量になること。
メインのプレートが1枚少なくなるため軽くなるわけです。

デメリットはポジション移動によってレバー長が変わること。
ポジションによってステップバーからペダルピンまでの距離が変わりることです。

レバー比は変わりませんが、踏み込む位置が変わることでフィーリングが変わってしまうわけです。

写真のようにペダルピンも移動できるタイプは、親切で良くできてますね。
ステップバーの移動に合わせてペダルの長も変えることができます。

でもこの場合、支点と作用点はそのままで力点だけが変わるためレバー比が変わってしまいます。
踏みやすさとレバーのどっちを優先するか!?  ということになります。

とはいえ、しょせん足での操作。手ほど繊細な入力ができるわけではありません。
少し乗ればすぐに慣れるでしょう。
よってこの場合は踏みやすさを優先するべきですね。


ヨシムラさんやベビーフェイスさんのステップは、一見、プレート移動式に見えますが、マスターシリンダとブレーキペダルは固定されています。よって、バー移動タイプに含まれます。

なお、バー移動式にはもう1つメリットがあります。
バーの突き出しを減らすことができます。

ミニバイクレースでは、バンク角の妨げにならないようバーの突き出しは極力減らします。でも、最低限のバーの長さは必要。そんなときペダルとバーを別位置にすることで、突き出しが減らせるわけです。

プレート移動式 vs バー移動式

どっちがイイと言えば、絶対的にプレート移動式が優れてます

ポジションチェンジしてもレバー長、レバー比が一定であるほうが合理的です。

✓Yoshimura GSXR1000

Moto GPではライダーに合わせた固定式 (ワンポジション) がほとんどです。

でもスーパーバイクのレースになるとマルチポジションのステップが大半。それでもって、採用されるのはやはりプレート移動式なんです。

なのでサーキットではバー移動タイプはほとんど見かけません。
では、ストリートではどうでしょうか?
最近の市販ステップってどちらかと言えばバー移動のほうが多い気がしませんか?
なぜ市販ステップにバー移動式が採用されるのでしょうか?

市販ステップにバー移動式が採用される理由

プレート移動式のほうが優れているのなら、なぜ市販ステップにこれほどバー移動式が採用されるのでしょうか?
その答えは、ABS にあります。

ABSユニットにつながるブレーキーホースが鉄製なんです。
鉄パイプのブレーキホースのため、マスターシリンダがほとんど動かせないんです。

マスターシリンダを動かすことなくポジションを変えるとなると、ステップバーを移動させるしかないわけです。
つまり、好んでバー移動にしてるわけではないのです。

シフト側のアジャスト方法

ここまではブレーキ側の話でしたが、ここからはシフト側の話になります。

多くのステップが左右対称に設計されています。ブレーキ側がプレート移動なら、シフト側も同じにしてるところがほとんどです。

でも、同じである必要ってないんです。左右で違っていても何も問題もありません。

上の2枚の写真はRC213Vです。
通常はライダーの好み位置に合わせた固定式(ワンポジション)ですが、テスト期間中は位置決めのためマルチポジションのステップが装着されることがあります。

ご覧の通り、左右でアジャスト方法が異なります。

シフト側のバー移動は今までの説明にあったものとは違い、ペダルもいっしょに動かす仕様となっています。

これならレバー長、レバー比が変わることはありません。パーツ点数も少なく合理的です。



はい、今回はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございます。

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