【bremboにしても変わらないじゃ、あ~りませんか】
こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。
今回はキャリパーとパッドの関係について。
先に結論を言いますが、
キャリパーがあってパッドがあるのではありません。パッドがあってキャリパーが出来るのです。
どういうことでしょうか?
では、説明いたします。
レース用 vs ストリート用
まずは、こちらをご覧ください👇
bremboのレース用とストリート用のパッドです。
どっちがどっちかわかりますか?
下がレース用なんです。
実はパッドの総面積でいったら上のストリートのほうが30%ほど大きいんです。
じゃあ、面積の大きいストリートのほうが効くのでしょうか?
それとも面圧が高いレース用でしょうか?そんな単純ではありません。
ストリートキャリパーのピストン径はφ34+30
レースキャリパーのピストン径はφ36+32
ピストンサイズが違うのでパッドにかかる力が違うわけです。
レースパッドが使えるφ34+30キャリパーはありません。
ストリートパッドが使えるφ36+32キャリパーもありません。
よって、2つのパッドを同条件で検証することができないんです😭
brembo vs NISSIN
今度は、これ見て下さい👇
bremboとNISSINのキャリパーです。
制動力はどちらが上でしょうか?
実はこの2つ、ピストンは同じφ34+30
パッド形状も激似なんです。
同じメーカーのパッドを使った場合、パッドの形状、材質、それにピストンサイズまで同じになります。
そうなると性能は全く同じなんです。
GSX-R1100には右のNISSINキャリパーが標準装備されてます。
それをbremboに交換しても何も効果がないわけです。
むしろ、キャリパーブラケットを介して装着する分、剛性面で性能ダウンになるでしょう。(体感できるレベルではないです)
実際、ボクも比較テストしたことあります。
でも、違いは全く感じませんでした。
もし「効果あるよ!全然違うよ!」って言う人がいるならそれはプラシーボ効果です(※)
もしくはキャリパー以外の変更もあるのでは
bremboは取付ピッチ40mm、対してGSXRは90mmです。そのためNISSINのほうがボディが大きく、その分少し重いです。
とはいえ、brembo装着にはブラケットが必要。その合計は若干NISSINより重くなります。
よってピッチ90のNISSINからbremboの装着は剛性面・重量面のデチューンとも言えるわけです。
GP4-RX vs 484Cafe racer
次はbrembo同士の比較👇
この2つ、仕様が全くなんです。
アルミ削り出しの2ピース
φ32の同径4ピストン
パッドも同じ 107.9882.10
取付ピッチも同じ
重量が25gほど違いますが、微々たる程度。あってないような差です。
つまり、この2つのキャリパーは全く同じ性能なんです。
実際に乗り比べもしましたが、制動力の違いは感じられませんでした。
どちらか選ぶ場合は、ビジュアルで決めればイイと思います。
GP4-RX vs GP4-MS
では最後の比較👇
GP4リーズの比較。
最新のMSとひとつ前のRX。
今までの流れから、
「MSは剛性アップ版で制動力自体はRXと変わらない」って流れでしょうか?
じゃあ、パッドを見て下さい👇
違いは溝の有無だけ。
それ以外は一緒に見えます。
やっぱりMSとRXの制動力は一緒
ってことでしょうか?
いえいえ、実は厚みが違うんです。
溝なしのRX用は総厚7.4mm
ライニング(摩擦部)が3.65mm
溝ありのMS用は総厚7.7mm
ライニング(摩擦部)が3mm
MSのほうが総厚が厚くいのに、ライニングが薄いんです。
そう、これはもはや別物のパッドなんです。
そのため形状は似てるのに互換性はありません。
パッドの収納スペースが違うため、入れ替えはNG。
何よりピストンサイズが異なります。
RXがφ32×4に対し、MSはφ30×4
こうなると適合マスターのサイズも変わります。
同条件で確認は出来ないため、どっちが優れてるかはわかりません。
今までのことをまとめると・・・
パッドが同じ場合、何もかもが共通。
パッドが違う場合、何もかもが異なり同じ条件での比較ができない。
パッドが先かキャリパーが先か?
「タマゴが先か、ニワトリが先か?」って話があります。
これには回答はありません。
ですが、「パッドとキャリパーどっちが先?」となったら答えは明確。
パッドがあってキャリパーがあるんです。
bremboにしてもNISSINにしてもパッドとキャリパーの種類を比較したとき、断然キャリパーのほうが多いんです。
キャリパーボディが違ってもパッドは同じ、って場合は多々あります。
でも、キャリパーに対して形状の違うパッドが複数あるってことは、あり得ないんです。
キャリパーの性能差
バイクはタイヤと路面の摩擦で減速・停止します。
ではタイヤの回転を減速・停止させるのは?
それはディスクとパッドの摩擦です。
いくらブレーキを良くしても、タイヤの性能以上の制動力は得ることができません。
それと同じようにマスターやブレーキホースを変えてもパッドの性能以上に制動力が上がることはありません。
キャリパーボディがモノブロック(1ピース)か2ピースか
ピストンがアルミなのかチタンなのか
こういった違いでの性能差はモチロンあります。
でも、それは “効き方” の違い。
絶対的な制動力・停止力はパッドによって決まるわけです。
(厳密にはパッドとディスクの相性)
パッドがあってキャリパーがある
ボクもキャリパーの設計はできます。
実際に設計したこともあります。
でも、パッドの設計は出来ません💦
今あるパッドを使ってキャリパーを設計することになります。
そうなんです、パッドが決まらないことにはキャリパーの設計は出来ないんです。
極端なことを言うとキャリパーはパッドの受け皿に過ぎないんです。
見てわかるようにGP4-MSは冷却効果を目的につくられたキャリパーです。
でも、キャリパーが先行してパッド形状が決まったわけではありません。
GP4-MSにしてもパッドが決まったあとにキャリパーが設計されてるわけです。
その証拠に、パッド形状は1つ前のRXと同じわけですから。
制動力=パッドの性能
おさらいですが、制動力はパッドの性能で決まります。
2番目に説明したGSXRのようにパッドが一緒なら制動力もいっしょ。
本質を知ってないと、せっかくbremboにしたのに効果なしってことになります。
まぁそれでも「bremboが好きだから」というならOKですケド。
オマケ
最後にトリビアを1つ。
GP4-RXにしてもGP4-MSにしても一般販売されてる市販品とレース用はチョット違います。
装着した際、通常モデルは取出しが横向きでレース用は真上になるんです。
・
・
・
今回はここまでになります。
最後までご覧いただきありがとうございます。
コメント