【なぜ? WHY?】スズキのチームがディスクにフランジ六角を使わない理由

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「スズキが低頭のディスクボルトを使うのはなぜ?」

こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

今回はディスクボルトについてのお話。

多くのチームがディスクにフランジ六角ボルトを使用してます。

でもスズキのチームは低頭を使ってるんです

なぜでしょう?

ホンダ・ヤマハ・カワサキはフランジ六角

ホンダ純正のディスクボルトはボタンです。
でもレースではフランジ六角👇

ヤマハ、カワサキの純正は低頭ボルト。
でもレースではフランジ六角👇


3メーカーとも、純正は六角溝のボルト。
でも、レースになるとフランジ六角ボルトを使ってるんです。

なぜフランジ六角なのか!?
理由は単純!

それは、作業性がイイから。

スズキは低頭ボルト


上図はTeam SUZUKIです。

なぜ、スズキのチームは六角溝の低頭を使うのでしょう?

理由は、ヨシムラさんが使ってるから。

「は? どういうこと?」ってなりますよね。

じゃあ、チョット脱線します。

プライベートチームやサテライトチームはファクトリーチームに右習えします。

その理由は、ところどころにメーカーのキットパーツを使うため。

キットパーツが装着できるよう寸法を合わせるわけです。

なので、場合によっては理由もわからず真似することもあります。

でも、スズキの場合はファクトリーチームがありません。

ヨシムラさんがその位置づけなるわけです。

ちなみに某スズキ系チームに低頭の理由を尋ねたところ、やっぱり「わからない」という返事でした。

ヨシムラが低頭を使う理由①

4メーカーのディスクを並べてみました。
見比べてください
どうですか? 違いがわかりますか?

写真が悪いかな💦

実はスズキだけがフラットディスクなんです。

他の3メーカーはオフセットディスクなんです。

フランジ六角ボルトは低頭に比べ、頭部の厚みが大きい。

フランジ六角にすると突き出しが増えて、フロントフォークに接触する恐れがあるんです。

ヨシムラが低頭を使う理由②

「フォークに接触する恐れがある」という理由は、先日、X(ツイッター)にてヨシムラの加藤監督に直接教えてもらったので間違いありません。

ただ、ここ10年の画像を見てもそんなメチャクチャに近いってことはないんですよね~。

見て下さい👇
フランジ六角にしたところで、何かに当たるのようには見えません。

推測ですが、ボクの思う「近い」とヨシムラさんの「近い」の感覚が違うのではないでしょうか。

耐久のタイヤ交換は時間勝負です。

丁寧な作業してる場合じゃありません。

フラットディスクは、ボルトが飛び出ししまうわけです。

少しでもネガな要因をつくらないために低頭にしてるのではないでしょうか。

耐久では、タイヤ交換の際にディスクも交換します。

ディスクが装着された状態で交換するわけですから。

従って、タイムアタック的なディスク交換はありません。

なのでディスクボルトの作業性よりも、タイヤ交換の作業性を優先してるのではないでしょうか。

あと、フランジ六角より低頭のほうが軽いというメリットもあります。

でも、これはあまりにも微妙な数値なのでそこまでは考えてないでしょうね。

はい、以上が今回の記事でボクの言いたかったことです。

これで終わりなんですが、せっかくなのでディスクボルトに関わる話をもう少し。

ディスクボルトの適合について

ウチも含め、チタンボルトメーカーがどのようにディスクボルトの適合確認をしているかるか、という話を追加します。

まず、各メーカーから純正ボルトを全部購入します。

そこから共通のものに振り分けます。

純正のディスクボルトってものすごい種類があるのですが、表面処理の違いによって品番が増えてるだけなんです。

形状別・サイズ別に分けると、各メーカー3~4種類程度なんです。

種類ごとにピックアップできたら、あとは車種ごとの品番を調べ、どれに適合するかをチェックするというわけです。

バイク専門メーカーのディスクボルト

設計は、純正ボルトに習ったサイズにするわけですが、ここでバイク専門にやってるメーカーと、そうでないメーカーとの分かれ道。

バイク専門のボルト屋さんがつくるディスクボルトはフランジ六角なんです。

左がホンダ純正、右が弊社のホンダ用。

理由は前半で述べたようにフランジ六角が作業性に優れるから。

純正の六角溝のボルトはナメ易いです。特にヤマハ!

そういったこともあり、フランジ六角を採用してます。

でも、バイク専門でないボルト屋さんはそんなこと知りません。

なので純正の形状のままでチタンボルトをつくるわけです。

フランジ六角ボルトのデメリット

純正と同じ仕様にした場合、適合は品番にあわせるだけ。

いちいち車両に装着確認はしないでしょうね。

でも、フランジ六角やオシジナルの形状にした場合、そういうわけにもいきません。

確認が必要な種類の車種あります。

どんな種類かわかりますか?

そうです、フラットディスクの車種です。

前半に話した通り、厚みが増すためフォークにあたる可能性があるんです。

特にヤマハはギリギリのものが多い。

なので、バイク専用ボルトを作ってるメーカーは手間も多いんです💦

カワサキ・スズキのディスクボルト

最後はウチのスズキ・カワサキのディスクボルトがフランジ六角でない理由について。

ここまで「ディスクにはフランジ六角ボルトが最適」と言ってきたのにスズキ・カワサキ用は低頭でラインナップしてるんです。

スズキの理由は、これまで説明した通り。

フラットディスクに対応させるためです。

レースユーザーに使ってもらうためにも純正と同じ低頭にしてます。

じゃあ、カワサキは?

オフセットディスクなのにどうしてでしょう?

カワサキはディスクボルトと同じ形状のものをステップやフレームにも利用してるんです。

なので純正と同じ低頭にすることで汎用度が上がるんです。

また、もう1つ理由があります。

それは人気がないんから。
正しくは「売れなかったから」です。

実は、当初、カワサキのディスクボルトもフランジ六角で作ってたんです。

でも、全然売れず・・・😢
純正と同じ低頭を増やしたところ、コッチはすぐに売れたんです。

そんなんで、カワサキのフランジ六角は廃番にしてしまいました。

当時、こういったブログもやってなかったので、フランジ六角がイイってことが認知されてなかったんでしょうね。

今、もう1度つくりなおしたら前よりは多少売れるかな?



はい、今回は以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございます。

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