【強度と剛性は違う】 チタンは強くて “しなる” 特殊な金属

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【チタンの真実・第6弾:チタンは強い!でも実は・・・剛性が低い!?】

こんにちは、オートバイのカッコ良さを追求するモトロックマンです。

今回のテーマは「チタンは強度が高く、剛性は低い」

通常、強度が高いほど剛性も高いのですが、チタンはひと味違います。

その前に、そもそも強度と剛性はどう違うのか?  まずは、そこから説明いたします。

強度と剛性の違い

多くの方が強度と剛性を一緒のものとお考えではないでしょうか?  どちらも外部から力 (荷重) に対する抵抗力という点では同じです。違いは、外部からの力のかかり方なんです。

強度とは?

強度は、こういう力に対するものです⇩

わかりますか?
図にするとこうです ⇩

引っ張る力に対する強さ、抵抗力が強度になります。そのため強度のことを、引張り強さ とか 引張強度 と言います

剛性とは?

剛性は、こういう力に対するものです⇩

わかりにくいですね (笑)
図にするとこうなります。

曲げやねじりに対して変形のしづらさが剛性となります。曲がりにくいほど、剛性が高い ことになります。

余談ですが、変形のしやすさを表すときは 柔性 を使います。曲げやすいほど、柔性が高い ことになります。

一般的に強度が高いほど剛性も高い

強度と剛性を一緒に考えてしまうのには理由があります。

多くの物質が、強度が高いほど剛性も高いからです。中でも鉄系の金属はその傾向が強くあります。

なお、金属の分類についてはこちらの記事にて紹介しております。
【バイク オタク度アップ】 バイクパーツの材料について

上図は金属の機械的性質の一覧表。

引張強さが強度をあらわします。数値が大きいほど強い。
ヤング率は剛性をあらわします。数値が大きいほど変形しにくい。

一番上のSS400からSUS304までが鉄系の金属ですが、引張強さは500MPa以上、ヤング率は200GPa前後あります。

つまり、これらは高強度・高剛性の金属ということです。

剛性が低い金属はしなる

ヤング率が100近くまで低いものは、荷重がかかるとしなりが生じます。

ちなみに“しなり” と “曲がる” は違います

しなる=元にもどる状態
曲がる=戻らない状態(永久変形)

強度が低い金属ほど、剛性も低くしなります。しかし! 例外もあります。チタン合金です。

チタン合金は、クロムモリブデン鋼に匹敵する強度ながら剛性は半分しかないという特殊な金属なんです。

低剛性はデメリットではなく特性

チタン合金の剛性の低さをデメリットに言う声があります。でも、決してそうではありません。チタンのしなりは特性であり、武器なんです。

強度と剛性が必要な場合、炭素鋼やクロモリ鋼などいくつかの選択肢があります。

しかし、クロモリ相当の強度を持ち、しなる。そんな金属はチタン合金だけです。

オマケに軽いときてるから、もう魔法のような金属なんです。

オマケ:現代のマシン造りにおいてしなりは不可欠

70~80年代の鉄フレームの時代の考え方は、出力アップや足回りの強化に伴い、フレームの剛性アップが必要というものでした。

しかし、現代は違います。あえて剛性を落とし、しなりを発生させています。

コーナリングの際、しなりがあることで常に路面をとらえることができます。

そう、現代のマシン造りにおいてしなりは不可欠なんです。

今のレギュレーションではチタンのアクスルシャフトは禁止されています。でも、しなりのあるチタンのシャフトがもし解禁となったら?  きっと多くのチームが採用するのではないでしょうか。

チタンの真実

モトロックマンがお伝えするチタンの真実は全部8つ。是非!ご覧ください。

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はい、今回の記事はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございます。

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